大人になったあいつ ページ40
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今日は雑誌の撮影。
撮影までまだ時間があるからと着替え終わったメンバーで談笑していると肩をとんとんと優しく叩かれる感覚。横をむくと、
少し目を潤ませたAがこっちを見ている。
「どうした？」
「黒ちゃん来て」
って手招きされるから着いていけば着いたのはAが着替えるために用意された部屋。
「え、入っていいの？」
なんにも言わずに入っていくから扉から顔を覗かせるとまたこちらに来て手をグイグイと引っ張られる。
「ん？どしたの？」
「黒ちゃん、この服着方わかんなくてね、どうしよ？」
雑誌撮影と言ってもアイドル誌ではなく少し大人な感じの雑誌でいつもよりお洒落な服が俺たちにも用意されていて、
Aが手にしてるのはワンピースだけどファスナーがある上に謎のリボンが2つ。
「１回貸してみ？｣
手渡されたワンピースの着方を考える。あっ、こういうことね。
「脚ここにいれて上にあげて？あげたら言って？それまで俺後ろ向いとくから、」
コクっと頷いたのを確認して後ろを向いて待ってると布と肌が触れる音が聞こえてくる。
「黒ちゃん、できた、」
「ん」
後ろを向くとちゃんと分かってはいたけど結構際どい状態。
下は大丈夫なものの、
上はまだファスナーがあがっていないから肩紐の着いていない黒のブラが丸見えでちょっとだけ緊張する。
「ファスナーあげるよ？」
俺の冷たい手が当たったのか少しビクッと肩を揺らすAに少し興奮しそうになるけど自我を抑える。
「はい、できたあとこれ結んだら多分おっけー！」
両肩にあるリボンを結んであげたら完成。
うん。えろい。
Aの体にピタッとしたワンピースだから体のラインが丸分かりで、どこに臓器入ってんのってくらいに細い体に見える二の腕も掴んだら折れちゃいそう。
「A細すぎ｣
でもやっぱり、どことは言わないけど小さい頃から大きくなったのは事実で俺早くここから出ないとやばい。
「じゃあ、俺先行ってるね、」
「あっ待って、黒ちゃんほんと助かったありがと！」
ってギューッと抱きしてめくるAの背中をポンポンして、逃げるように出た部屋。
俺に頼ってくれたのが嬉しいような、複雑なように感じた俺はAがいる部屋の扉を背に頭を抱えた。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年2月5日 3時
