君をダメにしたい【紫】

泣 ページ10

「私ふっかがいないとダメかも」

ぽつりと呟いた言葉はふっかの耳に届いたらしい。

勢いよく私の肩を掴む。

「今なんて言った！？！？」

興奮したように頬を紅潮させ、肩を揺らしてくる。

「え、いや、ふっかがいないとダメかもなあって…ごめんね、甘えすぎだね」

はは、と笑って誤魔化す私をふっかは逃がさない。

「そんなことない！！やっと！やっと言ってくれた！！！！」

やっとだよほんと……やっと……。そうぶつぶつと繰り返すふっかに困惑する。

何がやっとなのだろう。意図を読み取れないが、怒っているわけではなさそうで安堵する。

「A！！」

「はい！？」

急な呼び捨てにドキッとした。









「会社辞めよっか」









……………………え？

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