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なんだか、背負っていたものが軽くなって、

勇気が湧いてきた。




もう一度、まふまふに視線戻せば、

俺が決心したことを察したのかニヤリと笑った。






「まあ?僕は座って笑ってるだけで、

たくさんの人が寄ってくるしね。



あの子じゃなくたっていい。



もっと綺麗な人がいいって、パパに頼むから」





ふんっと悪戯に笑ったまふまふは、胸ぐらを掴む手を離した。


ずっと上からなこいつの言葉には少しだけ腹が立つけど、

出会ったばっかりの俺でもわかるくらいに、
隠しきれないほどの、不器用な優しさがこいつには溢れていて、




「ほんまに、ありがとな、」



と、言葉と共に、緊張が解け笑顔が零れた。









「………裕太、くん、」




そんなとき、ガサガサッと物音がして思わず立ち上がりそちらに視線を向ければ、


目を見開いてこちらを見るAが立っていた。



嫌でもうるさくなる心臓。

ぎゅっと、服の上から胸ぐらを掴んだ。






「おつかれ、A。モル、おいで」



沈黙が流れる中、今日一番の柔らかな声で、“ モル ”と呼ぶまふまふの視線を辿れば、

真っ白なマルチーズがAの腕の中から抜け出そうと踠いていて。


Aが腕から開放すると、一目散にまふまふの方へ走ってく。






また少しの沈黙が訪れ、
言葉が見つからないままでいると、沈黙を破ったのはAで。



「………ねえっ、まふくん、なんで、入れたの、」



酷く震えた声。

揺れる瞳を、まふまふに向け下唇を噛んで、そう言った。





ああ、やっぱり、自信がない。



連れ出すなんて、


告白だなんて。



だって今、涙が出てしまいそうになるほど、嫌がられてるじゃないか。




両想いだなんて確信なんかどこにもないのに。






なにを、舞い上がっていたんだろう。




ただ、「好きなら奪えばいい」と、婚約者から言われただけなのに。









でも、俺のそんな思いを消すのは、


視線を足元に移したときに鼓膜を揺らす言葉達だった。









「………うるっさいなあ、

寝言で裕太くん裕太くんうるさかったくせに。


本当は嬉しくて仕方ないくせに。



なに嫌いぶってんの?」

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高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…!これからも応援しています、頑張って下さい! (2017年12月29日 9時) (レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!!読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります!ありがとうございました! (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します!!すごくいい話ですね!!泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまみや。 | 作成日時:2017年1月10日 17時

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