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再婚してできたお兄さんの間違いじゃなくて?




婚約者(フィアンセ)………?





それに、A、って。



そう言った?






今聞いた言葉は、勘違いだと言ってほしい。



嘘ですって



そう、言ってほしいのに、




男からでる言葉は、俺の願う言葉ではなくて。







「あ、僕の名前は……うーん、そうだなぁ……




まふまふ、とでも名乗っておこうかな?」





ニコニコと笑ったまま、“ まふまふ ”と名乗った男は、
呆気にとられる俺を余所に楽しそうに話し始めた。




「いやぁ、一ヶ月前にさ、急に姿をくらませてさあ。




まぁ見つけるのなんてちょちょーっとやれば簡単だったんだけどね?






でも面白そうだから遠くから監視してたらさ、






ふふっ…………君と嬉しそうに抱き合ってたよ!!







あ〜……僕という人がいながら悪い子だなぁって、思ったんだけど、








別にただのストレス発散と後継ぎを産むための“ 機械 ”にすぎないし、いいかなぁって。







でも僕がいくらそう思ってても、パパは早く見つけて来いってうるさいし、





とりあえずこの家に今朝押しかけてみたっていう話!



自己紹介おしまい!次は君の番だよ!瀬戸裕太くん♪」





ふざけたようにそう言うまふまふを強く睨みつけると、

「ああ、僕も偽名だし、センラくん、って呼ぼうか?」


って俺の睨みなんか意味ないと言わんばかりに、そう付け足した。




何がストレス発散だ。



何が機械だ。






こいつの言葉ひとつひとつに腹が立って仕方がない。




お前には数ある中の一人かもしれんけどな、


俺にとっては大切すぎて、触れるのでさえ躊躇してしまうくらいの、

儚くて、愛しい人なのに。






「………なんでAなん、」



握った拳に力を入れて、ぎゅっと目をつぶり俯いて声を出した。




「…好きでもないA傷つけてなにになるん?



子供産むんだって、好きな人の子供やから愛せるんちゃうの?




なぁ、なんでAじゃなきゃあかんの?






お願いやから、あの子のこと、自由にさせたってや………っ!」






じわりと目頭が熱くなる。




もう、開放してあげたって。



小さい頃からたくさん我慢してきたんや、


そろそろ、幸せになったってええやろ?







こんな俺の願いは、虚しいですか?




なにも持っていない俺じゃ、無駄ですか?






ぽたりと、一粒の水滴が、手の甲に落ちて弾けた。

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高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…!これからも応援しています、頑張って下さい! (2017年12月29日 9時) (レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!!読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります!ありがとうございました! (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します!!すごくいい話ですね!!泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまみや。 | 作成日時:2017年1月10日 17時

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