１８ ページ19
.
あれからどのくらい時間が経ったのだろう。
くっついてしまえば、離れてしまうのが怖くて離せなくて。
無意識に回す腕は少し強くなっていたようで、「くるしい」って言われて慌てて緩める。
胸の奥がふわふわするようなこの時間が、
たまらなく幸せで、切なくて。
ここにいて
もう、いなくならないで
そんな言葉なんか、言えずに。
ただただ、君を抱きしめる。
「暗くなっちゃうよ、」
「……まだ、もうちょっと、くっついてたい。」
Aがこぼした言葉に返した声が、予想以上に甘ったるくて、少しだけ、恥ずかしい。
ぎゅっと目を瞑りながら、ラベンダーの香りを焼き付けた。
ーーーーー
やっぱり送る。
そう圧をかけながら言って、一緒に同じ電車へと乗り込んだ。
時間は、どのくらい経ったのだろう。
君に近づいていた時間は、とっても短く思えた。
あれ以上やれば、感情が溢れて君を困らせそうだったから、やめた。
でも、離れた瞬間、
少し名残惜しそうにしてたのは
俺は見てたよ。
勘違いだったら恥ずかしいけど。
未だに握られた手は、あつくって、とろけてしまいそう。
ふと、視線を君に向ければ、ふわふわと、微笑む。
…ずるい。
微笑み返すと、満足そうにして、外を見つめるA。
ああ、今、めっちゃ幸せだ。
そういえば、聞きそびれちゃったな、
また今度にでも聞こう。
君の笑顔が寂しい理由。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…！これからも応援しています、頑張って下さい！ (2017年12月29日 9時) (
レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…！！読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります！ありがとうございました！ (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します！！すごくいい話ですね！！泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください！！応援してます！！ (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまみや。 | 作成日時：2017年1月10日 17時
