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わたがしみたいな雲が浮かぶ、天気のいい朝。


床に脱ぎ捨てられた制服を手に取り腕を通す。


今日は寒いって聞いたからカーディガンでも着ていこう。


椅子にかけられたままの、紺色のカーディガンをカッターシャツの上から羽織って、よし、とつぶやく。


鏡の前に立って、寝癖でぐちゃぐちゃになった頭を直し、ワックスを軽くつけてセット完了。


スクバに財布とスマホを突っ込んで、部屋を出た。


階段を駆け下り、リビングに向かわず、家を出ようと玄関に歩いてく。


「あれ?裕太朝ごはんは?」


後ろから飛んでくる声に振り返らず、「いらない」と言うと、玄関でローファーを履いて家を飛び出した。


自転車にまたがり、スクバをカゴに投げ入れると足に力を入れる。


頰を掠る冷たい風に少し目を細めるとため息をつきながらいつもの道を自転車で走って。


いつもと変わらない今日が、始まろうとしていた。



ーーーーー



学校に着けば、一直線に自分のクラスに向かう。


階段を上って、左に曲がればすぐに自分のクラスに着く。


窓際の一番後ろ。


「おはよ」ってすれ違う奴らに声をかけながら自分の席に辿り着き、
スクバを机の上に置いた。


座った途端、1人の男が俺に話しかけてくる。


「おっはよー!!なぁ!きいた!?」


黒の髪の毛を揺らし、目を輝かせながら俺の前の席に座るこの男。

いつも絡む友達の一人。
小学校からの親友でもある。(認めたくはないが)

志麻っていう珍しい名前。

そして、センラっていう謎のあだ名をつけた張本人。

校則違反のピアスを堂々とつけ、風紀委員に毎回バツをもらうクソみたいな男だ。


「聞いてへん、てかうるさいねん。」


スマホを取り出しながら、話の相手をして。
ほぼ聞いてないけど。


イヤホンを挿そうとすれば、阻止され、仕方なく聞いてやる。


「見たことない女子生徒が登校してたんやって!!転校生かも!何年やろな!?」


「へぇ。」


ぶっちゃけあまり興味はない。


そんな運良く、転校生がうちのクラス!しかも知ってる人!みたいな展開があるわけもなく。


多分同じ学年でも、他のクラスだろうから接点なさそうだし。


俺は毎日、適当に、この高校生活を過ごしてく。

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高瀬その(プロフ) - コメント失礼します。今日この小説を読んだのですが二人の気持ちとか凄く伝わってきて泣けるけど本当凄くいい話だなあと思いました…!これからも応援しています、頑張って下さい! (2017年12月29日 9時) (レス) id: 68845d469f (このIDを非表示/違反報告)
あまみや。(プロフ) - ルイルリ@雨傘さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…!!読んでいてちょっぴり胸が苦しくなるようなそんな作品を書きたかったので、本当に嬉しいです。頑張ります!ありがとうございました! (2017年8月6日 3時) (レス) id: c73d1202f1 (このIDを非表示/違反報告)
ルイルリ@雨傘 - コメント失礼します!!すごくいい話ですね!!泣ける…こんな話を書いてみたい…更新頑張ってください!!応援してます!! (2017年7月25日 12時) (レス) id: 27bfa0ba5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あまみや。 | 作成日時:2017年1月10日 17時

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