▽ ページ8
▽あなたside
私の事、呼び捨てにするのなんて数え切れるほどだし、声でわかる。
『めぐ、』
めぐの顔を見て何故か安心して、涙が溢れてしまう。
『っ、ぅ····っ、』
目「びしょびしょじゃん、何してんの。とりあえず俺ん家近いから行こ。」
めぐの傘に入れてもらって家におじゃまする。
目「とりあえず、風呂入ってきな。風邪引いちゃう。着替えも置いとくから。」
『ありがとう』
ぱぱっとシャワーを浴びさせてもらってリビングへ戻ると、スーツから部屋着に変わって、少しラフなめぐがいた。
目「····で、どうしたの。ふっかさんとなんかあった？」
『···· うん、』
本当についさっき、見たことをそのままめぐに話した。
鮮明に蘇って、まただ。泣きたいわけじゃないのに涙が溢れて止まらない。
『っ、ごめ、泣きたいわけじゃなくて、···· っ』
めぐの優しい香りがぶわっと強くなって、抱き締められてるんだ、と思った。
目「····· ねぇ、俺じゃだめ、？Aのこと不安にさせないし、泣かせない」
『···めぐは素敵だと思うよ、すっごく。格好良いし、優しいし、こうして私が助けてって言ったらすぐ助けてくれるし。気持ちもストレートに伝えてくれるし、好きだよ、めぐのこと』
私には勿体ないくらいに素敵な人だよ、めぐは。
目「だったら、」
『でもね、』
でもね、めぐ。私は、めぐよりももっと好きな人が居るんだ。
めぐへの好きと、深澤さんへの好きは別物なの。
『私は、やっぱり、深澤さんがすき、なの、』
目「うん、知ってる、知ってるよ。」
私がめぐを苦しめてるんだね。
でも、優しいからすぐ頼っちゃうんだ。
めぐは優しすぎるんだよ。
目「とりあえず、泊まっていけば。もう遅いし。心配だから。ベットはAが使えば良いし。」
『でも、』
目「今、Aと同じベット入ったら我慢できる自信ないけど、いいの？」
少し強引なとこもあるけど、結局私が嫌がることなんて何一つしないし、ちょっぴり不器用なとこもあるけど、優しいんだよな、
『····· ありがと、』
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作者名：速水 。
| 作成日時：2021年1月9日 12時
