深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ4)

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▽あなたside

阿部さんに着いていけば、少しこじんまりとした雰囲気の良い居酒屋に着いた。

阿「ここだよ～」

『わ、お洒落ですね』

阿部さんが名前を伝えると、すぐに通して貰えた。

通していただけた個室に入ると、深澤さんを始め、社内で人気のある人たちばかりが揃っていた。

『え、』

阿「ごめんね～俺ら1番最後か」

佐「Aちゃんこの前ぶり～」

そう言って金色のふわふわな髪を揺らしながら手を降ってくれる佐久間さん。

『今日って、』

阿「飲み会だよ。間違えてないでしょ？」

『でも、なんで、めぐも』

目「阿部ちゃんに呼ばれたんだもん。」

良く分からないままめぐと深澤さんに挟まれる形で座らされた。

なんでめぐと深澤さんの隣なの····

対面に座る佐久間さんと渡辺さんは、どことなく可愛らしい雰囲気が漂ってて、可愛い。

渡「めっちゃ見られるとさすがに恥ずかしいんだけど。」

『や、佐久間さんと渡辺さんってなんかどことなく似てるなぁって。』

佐「そういや、俺と翔太同じタイミングでパーマ当てた時、後ろ姿同じだって言われたよね～」

渡「こんなのと同じにされたくねえ」

佐「こんなのってなんだよ！！」

なんてわちゃわちゃし始めて、見てる私も楽しくて。

目「A、それ美味しい？」

『これ？美味しいよ。めぐも飲む？』

少し甘めのお酒。そこまで強くないし、この前深澤さんの前で失態を晒しているわけだから気を付けて飲んでいる。

目「うん、飲みたい」

『じゃあ、頼もうか···って、ちょ、』

私の手のひらの中にあったグラスを抜き取れば良いのに、私の手ごとぐっと掴んでめぐが私のグラスに口付ける。

目「あっま」

『····ほんと、めぐ、ばか、』

向「きゃーめぐきゅんだいたーん」

渡「康二うるさい。」

目「俺、言ったじゃん。本気だよって。」

『だからって、』

反対側、向けない。深澤さんに見られた。

本当は深澤さんと話したいのに、めぐのせいで勝手に気まずいじゃない。