深澤センパイの思惑通り。②［紫］ (ページ19)

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▽あなたside

少しだけ残業をしてから阿部さんと飲み屋へ。

阿「はい、かんぱーい」

ジョッキを交わして数十分。いい感じにふわふわしてきて、話すなら今かな、なんて。

阿部さんもそれを感じ取ってくれたのか、話を振ってきてくれた。

阿「··· で、昼間のこともだし、昨日のことも聞かせてもらって良い？」

こんな時まで優しいなぁ、阿部さんは。

『きのう、深澤さんを送った後に、めぐと会って、雨降ってきてたんで泊めて貰ったんです。めぐ、優しいから、俺じゃだめか、って。俺なら不安にさせないし、泣かせないって。めぐが、素敵な人だって分かってるけど、』

分かってるんだけど。

阿「やっぱりふっかが好き？」

『、』

頷くしか出来なかった。

私ってこんなに弱かったっけ。

『深澤さんは、私の隙があればすぐに入り込んで深澤さんでいっぱいにするくせに、深澤さんは隙見せても入らせてくれないし、私ばっか好きにさせられて、』

阿部さんは、優しい表情で、「ほんとに、ふっかが好きなんだね」と柔らかく微笑んだ。

『··· すき、ですね、』

阿「そのまんまふっかに言えば言いじゃん。」

『無理ですよ、』

阿「それにさ、きっとAちゃんが思ってるより、ふっかはちゃんと一途だから。」

『？』

阿部さんの言うことがよく分からなくて、理解出来ない。

私、別にそこまでチャラそうとは、

阿「ふふ、今は分かんなくて良いよ。そのうち分かるからさ。」

アルコールが入ってたこともあって、引っかかったもののそこまで気にも止めず、すぐに次の話題へとう移っていった。