深澤センパイの思惑通り。［紫］ (ページ43)

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▽あなたside

深澤さんたちが買ってきてくれたスポーツ飲料を飲んでソファに座ってボーっとしていたら深澤さんが上がってくる音がした。

深「シャワーあんがとね。」

『あ、いえ、』

いつもはしっかりセットしてある髪の毛はぺたっとボリュームがいつもより無くて雨でびしょ濡れになったわんちゃん見たいだし、どこか漂う色気が上手く直視出来なくて目のやり場に困る。

深「Aちゃん、寝てなきゃ。」

『深澤さん、どこで寝るんですか』

深「ソファかAちゃんのベットの隣の床にでも布団敷いて寝るよ」

『いや、深澤さんがベット使ってください！』

深「だめだって。Aちゃん、病人なんだから。」

『でも····』

どちらも頑なに譲らないから、深澤さんが私の膝下に腕を差し込んで抱き上げる。

『ぅわ、ちょっ··· ！』

深「はい、病人は黙ってて」

深澤さんに抱き上げられているという事実が私の体温を急上昇させて、心臓のドキドキが止まらない。

このドキドキが深澤さんに聞こえてないのか、それだけが不安で、いつもならすぐ着くはずの寝室が遠く感じた。