深澤センパイの思惑通り。［紫］ (ページ30)

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▽阿部side

それからもAちゃんは、中々顔の赤みが引かず、熱かな、なんて思われちゃっても行けないから、こうなったのは俺のせいだしなぁ、

「ちょっと飲み物買いに行ってくるね、待ってて。」

Aちゃんにそう告げて自販機へ向かってると不機嫌そうな顔をしたふっかと出くわした。

「ふっか今から外出？」

深「ん、」

「 ···· ふっかが早く捕まえないなら俺が捕まえるよ。」

自販機にお金を入れて良く彼女が飲んでいるりんごジュースを押せば、がたん、と出てきてそのペットボトルはキンキンだ。

深「は、」

「なーんてね。あ、照待ってるよ。」

深「手ぇ出すなよ」

「さぁ？それはふっかとAちゃん次第じゃない？」

ねぇ、ふっか。

さっき、俺が頭撫でてたとこ見てたでしょ？だからそんなに不機嫌なんだ。

Aちゃんも顔が赤くて、ふっかが勘違いするのも無理はない。

「はは、ほんとバカだなぁ(笑)」

「Aちゃんはもうとっくに好きなのに。早くしないとほんとに取っちゃうよ。」

俺の寂しい声は、ふっかにも、Aちゃんにも届くことはなく冷たい空気の中に溶けて消えていった。