There's no rose without a thorn. (ページ4)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:4,762 hit

3 ページ4

―

犬か猫か、はたまたライオンや虎？

そんなことを考えていた4人は
まさか人間、しかも女性がいるなど
全くもって想像しておらず、かなり動揺した。

どう言葉を発して良いか考えを巡らせていると
痺れを切らしたかのようにドアノブが回った。

『驚かせてしまってごめんなさい、
依頼主は恐らく私の父です。
西園寺Aと申します。
…3週間、どうぞよろしくお願いします』

鎖骨あたりまで伸びた髪を揺らしながら
女性は頭を下げた。

サルサ「 …すみません、俺達、ペットって
伺ってたもので… 」

『大丈夫です。ただ寝食だけしてる
ペットみたいなものですから。
立ち話もなんですし、上がってください』

歩き出した彼女は不自然に右足を引きずっている。

トリハダ「あの、足、大丈夫…ですか？」

『すみません、うるさいですよね。
痛みはないんですけど、引きずる音が響くので、
離れに1人で住んでいるんです』

ワンちゃん「うるさくなんかないです、
ただ、俺たち心配で… 」

『ありがとうございます、優しいんですね』

彼女の口角が、少しだけ上がった。

思っていたよりも、普通の女の子かもしれない。

少し安堵した4人は彼女の後に続いて
リビングルームに足を踏み入れた。

―