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漆拾壱.冷徹 ページ26

鬼舞辻無惨


私はその悪魔が心底怖かった。

逃げる為に自分を何度も殺してまで支配下から逃れたのだ。


なのにどうして



なぜ見つかった?



思考をフル回転させている最中、頭に勢いよく衝撃を与えられ私の体は突っ伏していた。



何者かに頭を踏みつけられている。



誰かを確認する必要なんてない。



鬼だ。









「無惨様!!無惨様 見つけたのはこの俺です!!

柱の邸の近くの林の中で見つけたんです!!
どうかっ


どうか血を...!!私めに褒美を!!」






赤い瞳がギョロリとその鬼を睨みつける。


私が睨まれた訳でもないのに、すがりつきたくなる程怖かった。



溢れ出した涙の向こう側で鬼舞辻が妖しげに笑う。



その思考は、考えずとも把握出来た。







「いいだろう」




刹那、瞬きをしただけのはず。


はずなのに、私の頭を踏みつけていた鬼の体は消えていた。




微塵も残らず。










「見つけ出したのは褒めてやるが


褒美を強請るなど烏滸がましい」





冷たく吐き捨てられた言葉。


震えが未だに止まらなかった。






「A」



「ヒッ...」



情けない。


叫び声すらもまともに出ない。





恐ろしい、





怖い、







殺される、








死にたくない、







嫌だッッ













「思考が読めずとも何を考えているのか予想はつく







A 助けて欲しいか?」









「......え...?」




今、何を...



コイツは、何を考えているんだ。



鬼舞辻は私に近づき、目の前までやってくるとその場にしゃがんだ。



何をする気だと。


そう考える間もなくゆっくりと私の髪をかき上げた。


















「お前にチャンスをやろう」










何を言われるのか、








この時の私はやけに冷静だった。

漆拾弐.生かすも殺すも→←漆拾.警告



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とく(プロフ) - とても面白いです!続き待ってます! (7月20日 19時) (レス) id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - とても感動しました。続きお願いします! (2020年3月21日 22時) (レス) id: 267821d46f (このIDを非表示/違反報告)
ソラン(プロフ) - 続き楽しみにしてます!応援してます!! (2019年9月6日 20時) (レス) id: 9e76d01d1a (このIDを非表示/違反報告)
笑陽(プロフ) - 続きが気になります!! 更新待ってます!!!!!!!!!!!!! (2019年8月11日 1時) (レス) id: f0261dc739 (このIDを非表示/違反報告)
純(仮) - 続き凄い気になります (2019年7月24日 17時) (レス) id: b6bc3c9cb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:捺稀 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年5月15日 0時

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