Everlasting victory . FO ページ7
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「おつかれじゃのう吉良」
「ア？疲れたも何も、久しぶりすぎて身体が訛ってんのかもしれねぇ」
「そうか。なぁ、それより」
そういうと、仁王は俺の頬を両手で包み込み、俺の額と仁王自身の額を合わせた。
「左膝」
「……分かってたの」
「当たり前じゃき。俺に隠し通せると思ったら大間違いぜよ。」
ペテン師はどうやら、人のことをよく観察するだけあって、すぐ気付いてしまうらしい。
「お願い、だ。」
「これ以上、自分を傷つけんでくれ。」
そういった仁王の顔が、寂しそうで、消えそうで、儚くて。
「……これはテニスで出来た怪我、だから自分を傷つけた訳じゃない。だからといって赤也に責任がある訳でもないんだから。」
「分かっとる。分かっとるよ、でも」
「ねぇ、におー。」
「……」
「……お前は、優しいね。」
「いいよ、お前はそのままで。俺の傷が出来たら、一番に気付いて、一番に心配してくれれば。
んで、こうやって俺を優しく包んでくれれば。
俺はそれで、ここにいる存在価値があるって思えるから。俺の生きる理由は、お前だから。」
下手くそな愛情表現である。
この男は、不器用で、下手くそだけど、下手くそだからこそ、こうも恥ずかしいことが言えるのである。
周りから見たら、重いかもしれない。変な愛に見えるかもしれない。だけど……彼なりの精一杯の愛情表現を、受け止める以外の選択肢は、仁王自身には無い。
「心配すんじゃねぇよ、俺、別に死ぬわけでもねぇし。それより魔王サマの方が危ないんじゃねぇの？」
クフ、と喉の方で笑う声は、なんとも言えない。
「ああ、そうじゃのう……でも…………
やっぱり俺にはおまんしか居らんのじゃ。
もう少し、このままで＿＿＿」
仁王自身も、愛情表現は下手くそなのかもしれない。
不器用同士、手探りで注意深く、でも真っ直ぐと、己の道と愛を探して2人で手を繋いで、離れないように進んでいるのである。
．
「吉良先輩っ！ほんとに、ほんとに……！」
「いいってば赤也。お前しつこい。
別に左膝えぐられたくらいどうってことねぇよ。」
「いやでも……1週間もテニスできないなんて…………俺のせいだ……ッ」
「赤也、泣くな。お前のせいではない。1週間出来ねぇくらいで、お前に越されたりはしねぇよ」
それでも赤也は泣くのをやめない。
全く、手のやける後輩である。
「はいはい、泣くな泣くな」
「うっ、吉良せんぱあああい、！！」
抱きしめると仁王が嫉妬するのは、別の話。
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whereabouts ．a→←Everlasting victory . TH
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こ(プロフ) - 第一部隊さん» その一言が何よりの励みです、ありがとうございます！更新頑張ります！！笑 (2019年5月19日 22時) (
レス) id: a218fd298e (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - わぁ！！好き！更新待ってます！！！ (2019年5月19日 22時) (レス) id: 8a79432f79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こ | 作成日時：2019年5月17日 22時
