32.通告と通話 ページ32
『ただいまー』
「おかえり!」
私は
私は鞄をおいて、ソファに座る。そしてリモコンをもち、面白そうな番組を探す。
そんな中、お母さんがこっちまでやって来た。
.
「もう!相川さん家のお宅、明日引っ越すんだから、真冬くんに挨拶しておきなさいよ!」
『………………え!?!?』
え!?引っ越す!?ハッ!?
「……あら、まだ聞いてなかったの?相川さん家、お父さんの転勤で海外にいくらしいわよ」
え!?聞いてないんですけどぉぉ!?!?
逆に真冬も何で言わない!?ワッツ!?!?
じゃあ、泣いてたのって……?
『お母さん、真冬たち、いつ頃くらいの飛行機でいくの!?』
「……さぁ?そこまでは聞いてないから……」
『うわつっかえねーな!』
「まぁ!親に向かってなんてことを!……」
『ちょっと真冬に通話してくる!』
私はソファから立ち上がり、鞄からすぐにスマホを取り出す。
タッタッと階段を駆けて上り、自室に入った。ベッドに背中を預け、体育座りでスマホを見つめる。
そして、真冬のLI○Eの通話ボタンをポチっと押した。
あんにゃろ!!私のことは心配するくせに、大事なことは教えてくれないんだから!……
私は少しの怒りと、寂しさが入り混じる。……なんなんだよ、好きって気づいたのに……。
「…………はい、もしもし?」
スマホから聞こえてきたのは、鼻声なのか震えている真冬の声だった。
私はすぐに口を開き、言葉をさがしだす。
『おい真冬!何で引っ越すなんて大事なことを言わなかったの!』
第一声がこれかよって言う人もいるだろうけど、
これは今の私にできる精一杯の言葉。
「……あぁ、聞いたんだね」
『そう!何で急に引っ越しなんて……!』
「……急じゃないよ」
『…………え?』
「もう、半年ぐらい前から決まってた」
『…………は、』
……そんな、半年ぐらい前って、…今が春だから、…受験のときから?
言葉の重みは、私にかなりのダメージを与える。
「本当は、この高校に入学する前から引っ越ししようって決まってたんだ……でも、僕が引き延ばしにした。少しだけだけど」
『な、なんなのそれ……!私に一切の相談もなしに!?』
ふざけんなよ……!
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つむぐ - やのさんの作品、どれも面白かったです!別垢になってもずっと応援してます!お疲れ様でした! (2020年8月11日 18時) (レス) id: 88b02305d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきか - 小説の最後の意味教えてほしいです (2019年10月27日 21時) (レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
ヽ(・∀・)やぁ - お久しぶりです。受験勉強で見れてないうちに...。新しい垢見つけたらコメントしますね!ずっとずっとやのさんの作品が大好きです! (2019年7月9日 6時) (レス) id: f277aaf274 (このIDを非表示/違反報告)
ここね(プロフ) - あなたの作品が大好きです!今回の作品も号泣させていただきましたw別アカになろうが必ず見つけ出します! (2019年6月16日 9時) (レス) id: f16806af0a (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - 今作も遅くなりましたが、読ませて頂きました。最後のつっかえる感じがとても好きです。また、貴方の書く作品に出会えたら嬉しいなと思います。お疲れ様でした!!!(^^) (2019年5月5日 23時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
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