18.お味 ページ18
「……ふぅ、御馳走様。」
『……毎回私の血飲んでるけど、私の血って吸血鬼からしたらどんな味するの?』
「…………んー、甘くて、でもちょっぴり苦くて、コクがあって、マイルド?」
『よくわからんのかい』
頭にはてなを一杯のせているそらるにたいしてそう突っ込む。
私の血の味って美味しいのかな?
鉄分たくさん含んでそうだけど()
『じゃあさ、そらるは私の血好き?』
「なに突然に、自分じゃなくて血なんだ」
『いいから早く答えろよ』
問いかけても、答えないそらるを急かし、私はそんな言葉を放つ。
まぁね?私はね?多分嫌われてると思うんですよ、でもなんか、血が美味しいから契約してるところあるみたいな?
あ、自分で血が美味しいっていっちゃったよ。
「……美味しい方なんじゃないの?」
『何でそこで疑問系!?ねぇ!?好きかどうか聞いたよね!?』
どうしてそこで疑問系なのかなぁ!?
そらるはさっきから目をそらし、視線を合わせようとしない。
なんなんだよ、……
「……じゃあ一回確かめる」
『……え?へ、あ、え!?ちょっ!?』
その瞬間、また首もとにチクリとした痛みが走る。
血を吸われたり、舐められたりして、気持ち悪いはずなのに気持ちいい。
「……あー、たらふく飲んだ。もうお腹一杯。」
『意外と少食だな!?ってか感想は!?』
「言いたくない」
『はぁぁぁぁ!?!?』
ここまで来て言いたくない!?信じられないわ!!
私はそんなそらるに失望し、起き上がろうとする。
「……あ、まって、」
『何?』
そらるに抵抗できないように腕を捕まれ、私は動けなくなる。
なんだよ今更……
.
「……不味くは、なかったよ。……それだけ。」
そらるは目をそらし、頬を少し赤く染まらせてゆっくりと腕を離し、ソファから降りた。
『……そ、そっか。』
私も起き上がり、乱れた髪を整え、気まずい空間の中夕飯のためキッチンに向かう。
なんでそんな照れた顔するの。
こっちまで照れちゃうじゃん。
そらるのばか。私のことも考えてよ……。
早くなった心臓は、赤くなった頬は、やめることを知らなかった。
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ましゅ - そらる吸血鬼えろるすぎやr((( めっちゃ好きです!! (2022年7月17日 9時) (レス) @page35 id: de60ba5332 (このIDを非表示/違反報告)
蒼也 - 440票目ゲット!シャー↑ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 86451e69dd (このIDを非表示/違反報告)
利闇涙(プロフ) - 初コメ失礼します!めっっっっっちゃ感動しました!とても面白かったです!完結おめでとうございます!お疲れ様でした! (2019年5月11日 12時) (レス) id: da6ca6fcda (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» おぉぉぉぉwwありがとう!!wwあんまりやると怒られちゃうかもだから気を付けてね!w(でも小説の感想だからワンチャン大丈夫かもw) (2019年3月30日 0時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - うらたん、いい人だったw吸血鬼、萌えた(萌えはてたわ)私も長々とコメしてるやつにちゃんと返してくれるやのん好きよ← (2019年3月30日 0時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
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