26.ファーストキス ページ26
シャアッと近くのカーテンを開けて出てきたのは、案の定彼方先輩であった。
私は怖くて、ベッドから降りようと後ずさる。
しかし、彼方先輩はそんな私の怯える目をとらえていた。
「くふっ、いいよ、その顔、絶望してるね、……」
『……ひっ、』
強い力で腕を捕まれ、私は身動きがとれなくなる。
それだけではなく、ベッドに押し倒されて、私は抵抗さえも出来なくなってしまった。
「……ねぇ、俺がこんなヤツだってしって、どう思った?」
……まさか、……。
“「…“リバース”。人には隠している裏側ってものがあるでしょ?
その裏側への変化が頻繁に起こる人間を、
僕たちは“リバース人間”っていうんだよ」”
相川さんの説明が、脳内にリピートされていく。
「……俺も、響希棗も、“リバース人間”の類いだよ」
上で一ノ瀬先輩は、ニヤリと嘲笑う。
「……でも君は違う。裏表がない。まるで球体みたいにね。そんな裏表のない君に、俺が裏をつくってあげようかと思って。」
まただ、彼方先輩も裏表とない人だと言う。
どうしてそんな判断が決定付けられるのか、わたしにはわからない。
でも、今はそれを考えているどころではなかった。
『……裏を、作る?……』
「……そう、隠し事、俺と君だけの。」
隠し事って、……え?……
私は困惑していても、彼方先輩は教える気などないいように思えた。
「隠し事って言うのはね?……」
そしてその刹那、彼方先輩の顔が近くなっていく。
……え、え?……
……それと同時に、
「……保険の先生……は、あれ?いないのか……Aちゃん、起きてるかな?」
ドアの音と共に相川さんの声が聞こえる。
な、なんで、こんな時こんなところで相川さんが!……
するとどんどん足音は近くなり、彼方先輩の顔も近くなる
それに比例して、私の心拍数は上昇していた
……そして、その時
「……Aちゃ、」
『んぅ!?……』
「……………………え?」
相川さんによってカーテンが開けられたと同時に、彼方先輩の唇は、私の唇を奪っていた
ドアップにうつった彼方先輩は、いとおしそうに私を見つめる
『……ん、んぅ!……』
私は抵抗しようにも少しの快感を覚えていて、保健室の空気は凍っていた。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2019年9月24日 17時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話もっと読みたい! 終わって欲しくない(´;ω;`)あとそらるさん(彼方先輩)今は夢主ちゃんのこと、どう思ってるんだろう…?とても気になる…!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» できれば気づかないでほしかったぞwwww違うよ、やのんはいじる役だよ((((((((( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - やのさん» ごめんなー(棒)ちょっと嬉しい気持ちがあったんだわ(^^)恥ずかしいんだね〜一生使えるネタが出来たw(嘘です)やのんは、いじられ役だね(( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» 毎度のごとく長文のコメントありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!( ;∀;)うん!更新頑張るね!ちょっwwwほめてくれるのはうれしいけど、恥ずかしいからそこには触れないでwwww (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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