20.会話 ページ20
『……どうしたの?』
「……いや、ちょっと辛いの足りないかなって。」
おいおい、……これで中辛だぞ?そこまで辛いと耐えられないぞ?
少し不満そうにして答える相川さんに、私は困惑する。
『辛いの好きなの?』
「うん。よくお兄ちゃんと激辛ラーメン食べてたから。」
激辛!?考えただけでも口のなかヒリヒリしてきた……。
……あ、そういや、お兄ちゃんいたんだ……。てっきり一人っ子かと……。
「あ、でも、とっても美味しいよ?辛いの足りなくても、Aちゃんと初めて作った料理だから。
……だけど、1つ気に食わないことがあるんだよね。」
『……気に食わないこと?』
私がそう首をかしげてきてくと、相川さんは真剣な表情へと変わった。
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「……Aちゃんが閉じ込められたこと。」
その刹那、空気が凍りついた。
私が、閉じ込められたこと?……
「……どうして三人だけでAちゃんを閉じ込めたのか。……
そして、閉じ込めるなんて発想、あの三人が本当に思い付くと思う?」
……確かに、三人だけだと、結構危険だよね。
それに、私が相川さんと関わっても、今まで閉じ込められるなんてこと滅多になかった。
ご飯を食べる手が止まり、私たちは会話に集中する。
「……確実に、裏側に狙われてるってことじゃないかな。……いや、元から狙われてたとか。」
相川さんは難しい顔になり、一人言を告げる。
狙われてたって、誰に?私、そんな狙われるようなことした?……
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……あ、したわ。相川さんへの数々の侮辱。
『……な、なんかごめん。私のせいで、関係ない相川さんまで巻き込んじゃって。』
「んふふっ、大丈夫だよ。僕は君に使われるなら本望さ。それにいったでしょ?「守る」って。」
クスクスと笑う彼は、まるで心から笑っているようにも見えた。
そして、その笑顔を感じると、心の奥がきゅって締め付けられた。
な、なに?この感覚。……
『……う、うん。』
私は赤くなっていたであろう頬を隠したくて、俯きながら頷いた。
そして私たちは、ご飯を食べる手を進めた。
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「……ちぇっ、今回のは使えない捨て駒のせいで失敗かぁ……」
「早いとこ終わらせろよ?」
「わかってるって。」
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2019年9月24日 17時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話もっと読みたい! 終わって欲しくない(´;ω;`)あとそらるさん(彼方先輩)今は夢主ちゃんのこと、どう思ってるんだろう…?とても気になる…!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» できれば気づかないでほしかったぞwwww違うよ、やのんはいじる役だよ((((((((( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - やのさん» ごめんなー(棒)ちょっと嬉しい気持ちがあったんだわ(^^)恥ずかしいんだね〜一生使えるネタが出来たw(嘘です)やのんは、いじられ役だね(( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» 毎度のごとく長文のコメントありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!( ;∀;)うん!更新頑張るね!ちょっwwwほめてくれるのはうれしいけど、恥ずかしいからそこには触れないでwwww (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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