15.SOS ページ15
『……はっくしゅん!!』
あぁ〜、埃のせいで、くしゃみでた
私は高いところにある小さな窓を見上げ、外の様子を確認する。
……もう夕方じゃん……。
棗待たせてるし、……あ、相川さん、日誌かけたかなぁ?……
……このまま、誰にも気づかれずひっそりと眠るのだろうか。
せめて綺麗なところで死なせてよ!なんて贅沢なことを考えてしまう。
本当なら、先生でも誰でもいいから助けてほしい。
でも、助けてなんて呼べる手段……
『……あ!』
私はピコンッと頭に電球ができて、すぐさま鞄を漁る。
すると案の定携帯はあり、私は電源をいれようとするが……
『……はぁぁぁ!?電池切れ!?』
携帯には、真っ暗な背景に中身が空になった電池の図。
ふざけんなよ!!!おい!!あの女子ども!!おぼえてろよ!!
……あぁ〜、終わった。
私は絶望のどん底に突き落とされる気分になり、また膝に頭を埋める。
どうせ死ぬぐらいなら、相川さんのそばで……
それに、一緒に日誌書く約束、まだ達成してないのになぁ……
……って、あたしゃなんでこんなときに相川さんのこと思い浮かべてるんだよ。
『……ほんとに、誰か助けて……』
私の小さな声は、静寂の空間にかき消されたのだった。
.
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「……Aちゃん!!」
そしてその時、大きな音をならしてドアはバンッと開く。
そして、眩しい光に目を凝らしていると、暗い影がその人を包んだ。
聞いたことのある、高い声。
そしてその影は近づいて、徐々に顔を見せたのだ。
「……Aちゃん、大丈夫?」
膝を曲げてしゃがむように私の顔を覗き混んで、手を差し出すのは、紛れもなく相川さんだった。
息を切らして、頬には少しの汗を垂らして、まるで一生懸命走ったような様子だった。
『な、なんで、ここが、……』
「日誌書き終わって、靴箱にいっても、…はぁっ、…Aちゃんの上靴っ、なかった、からっ、……」
途切れ途切れに言葉を発しながらも、そう説明する相川さん。
私はその手を受け取り自身の手を置いて立ち上がる。
そしてその瞬間、私は相川さんに引っ張られ、胸の中へと寄せ付けられた。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2019年9月24日 17時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話もっと読みたい! 終わって欲しくない(´;ω;`)あとそらるさん(彼方先輩)今は夢主ちゃんのこと、どう思ってるんだろう…?とても気になる…!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» できれば気づかないでほしかったぞwwww違うよ、やのんはいじる役だよ((((((((( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - やのさん» ごめんなー(棒)ちょっと嬉しい気持ちがあったんだわ(^^)恥ずかしいんだね〜一生使えるネタが出来たw(嘘です)やのんは、いじられ役だね(( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» 毎度のごとく長文のコメントありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!( ;∀;)うん!更新頑張るね!ちょっwwwほめてくれるのはうれしいけど、恥ずかしいからそこには触れないでwwww (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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