34.日誌 ページ34
『……終わった。もう終わった。死んだわ。』
あれから時間は放課後。
周りはガヤガヤと帰り始めていて、相川さんは何処かへいってしまった。
鞄は机にかけてあるから、まだ帰ってないと思う。
……か、帰りこそは、ちゃんと話さなきゃだよね。
……読者様も、ギャグ足りなくてつまんないと思ってるから早く終わらせなきゃだよね()
棗は私のために先に帰ってくれたから、今日で決着をつけなければ!!……
そう思っているうちに、人はどんどん減っていく。
そしてもう、私一人だけが教室にポツンといた。
すると、ガラリと音をならして教室の前の方のドアは開く。
『……あ、』
「…………あ、石崎さん。」
来たのは相川さんで、やっぱり帰ってなかったんだと安心した。
そして手に持っているのはクラスの日誌。
本当に真面目だなぁ……と感心した。
『あ、あの、は、話したいことがあって……』
「……あー、えっと、日誌書き終わってからでもいい?」
『あ、うん!わ、私も手伝うよ』
今まで日誌書くの放棄してきたからね……(泣)
私は相川さんの前の席の椅子を借りて、向かい合うようにする。
相川さんは無地の白い筆箱を出して、シャーペンの芯をカチカチと押し出していた。
……よくみると、本当に相川さんって美人だなぁ。
あ、美人は女の人か。いやでも、声高いし、女装してもきっと気づかれないんじゃないかな。
「……石崎さん?」
相川さんは私が相川さんの顔を見つめているのに気づくと、キョトンと私の名前を呼ぶ。
……気のせいか?相川さんの耳がほんのりと赤い気が……
『あ、いや、な、なんでもないよ!早く済ませちゃお!』
「う、うん、……」
それから特に目立った会話はなく、相川さんはスラスラと綺麗な筆字で日誌に書き綴っていた。
……ほんと、文武両道で、成績優秀で、才色兼備で、綺麗で、かっこよくて、かわいくて、非の打ち所のない人だよね。相川さんって。
……でも、もしも相川さんが裏側を晒したら、みんなは相川さんから離れていくのかな。
『……あのさ、相川さん』
「…………ん?」
『どうして、相川さんは表を作ってるの?』
そう聞くと、相川さんは俯きはじめて、机においてある拳をぎゅっと丸めた。
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ちょこ - とてもよかったです!その後話がもっと欲しい! (2019年9月24日 17時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです!その後話もっと読みたい! 終わって欲しくない(´;ω;`)あとそらるさん(彼方先輩)今は夢主ちゃんのこと、どう思ってるんだろう…?とても気になる…!! (2019年8月24日 1時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» できれば気づかないでほしかったぞwwww違うよ、やのんはいじる役だよ((((((((( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - やのさん» ごめんなー(棒)ちょっと嬉しい気持ちがあったんだわ(^^)恥ずかしいんだね〜一生使えるネタが出来たw(嘘です)やのんは、いじられ役だね(( (2019年4月1日 22時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
やの(プロフ) - 夜空(主にDS)さん» 毎度のごとく長文のコメントありがとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!( ;∀;)うん!更新頑張るね!ちょっwwwほめてくれるのはうれしいけど、恥ずかしいからそこには触れないでwwww (2019年4月1日 22時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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