そらるを守りたい。【そらる】

39 ページ39

私はその目付きに、目を見開いて、少し肩が揺れ、うつむく









『わからないっていうか、





その、




大切な人がどうやっていなくなるのもわかっているのに、




どう守ればいいのかなって、思っちゃって』









「……守る？」









……あ、









私は口を手で隠して、いってしまったと思う









『あ、いや！本！本で、タイムトリップする主人公ってのがあってさー！』









私は作り笑いをして、何とか誤魔化す









「あー、難しいよね」









と、あまちゅも共感してくれる









ま、まぁ、一件落着……









私は「またね」と手をふって教室からでたあまちゅに手を振りかえしたあと、ため息をつく









『伝えたって、どうせ誰も信じてくれない』









そう呟く







世の中わからないことだらけだよ









ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ









なんていつもみたいな憂鬱な気分で、授業が始まった








ーーーーーーーーーーーーーー








休み時間、私は皆にばれないように、作戦ノートに書き込む









わからないこと





・バレンタインの時、そらるを呼んだ人

・昔そらるがいったこと

・そらるの気持ち









最難関なのが、








“どうしてタイムスリップしたのか”









だよね









確かに、願ったのは私だ









だけど、神様が本当に願いを叶えてくれるなんて、予想もしていなかった









非現実的だし、神様が本当にいるのかどうかでこの答えは変わると思う









私は“はぁ”とため息をついて、作戦ノートを閉じる









ﾁﾗﾘと、そらるの方を向いてみると









そらるは一人で机にうつ伏せになって寝ていた









私、独りにさせないっていったじゃん……









顔が見えないので、どう思っているかわからない









ごめんね、そらる









あと少しの、辛抱だから









絶対、守るから、









待っててね___

40→←38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す