優しいね ページ32
-十四松
「…大量ですね」
「6つ子と6つ娘で12人だからね!」
買い出しを済ませたら、買い物袋が6袋にもなった。
「五美ちゃん!僕荷物持つよ!!」
「大丈夫です。私、持てますよ」
「僕男の子だから!」
そういって無理矢理五美ちゃんから袋を奪った。
「ぐっ…」
僕が思ってたよりも重くて声が出ちゃった
恥ずかしいなぁ。
「やっぱり私も…」
「ううん!僕力持ちだから!大丈夫でっす!!」
五美ちゃんが僕を心配して持ってくれようとしてくれたけど、何だかカッコ悪いから断った。
五美ちゃんは優しいなぁ。
「五美ちゃんて!」
「?」
「すっげー優しいね!!」
「えっ?」
思ってたことをそのまま五美ちゃんに伝えたら、凄いビックリしてた。
僕何か変なこと言ったかな?
「いや…全然、そんなこと、ない、です」
「ううん!五美ちゃんは優しいよ!僕が思ってるんだから!!」
「……」
僕は笑顔でそう言いながら歩いてたんだけど、五美ちゃんが横にいないのに気づいてまた置いてっちゃったと思って慌てて振り向いた。
そしたら
「……っ」
「え?!五美ちゃん?!」
五美ちゃんが静かに涙を流して立ち尽くしていた。
「五美ちゃんどうしたの?!どこか怪我した?転んじゃった?!」
両手で目を抑えながらふるふると首を横に降る五美ちゃん。
「ごめんね!僕また早く歩いちゃって」
「…違う…そうじゃない、です…」
少し落ち着いたみたいで、途切れ途切れに喋ってくれる。
「…大丈夫?」
「…はい
…十四松さん、…ありがとうございます」
ーーーーーカンカンカンカン
五美ちゃんが僕の名前を呼んで何か言ったみたいだけど、丁度踏切が降りる音にかき消されてうまく聞き取れなかった。
「え?!五美ちゃんいま何て言ったの?」
「…いいえ。なんでもないです」
「えー教えてくれないのー?」
「また今度、言いますね」
もう一回聞こうとしたんだけど、言いにくいみたいだから無理には聞かないことにした。
また今度、って言ってくれてるし!その時が楽しみだなぁ!
「十四松さん」
「なーに?!」
「急いでお家、帰りましょうか。みんなお腹空かせて待ってますよね」
「うん!そうだね!」
空が少し赤くなってきたから、僕達は急ぎ気味でお家に戻った。
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ミミ - Mさん» お下げ髪…耳から下の2つ結びですね。分かりました、わざわざご説明ありがとうございます! (2017年1月28日 19時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ミミさん» 私の頭の中ではお下げ髪でした。ミミさんのコメントで改めて調べてみると、呼び名が違うだけで同じものだと思っていたのが違うものなんだと初めて知りました。私の知識不足です…疑問を抱かせてしまってすみません。後日改めて直します。 (2017年1月27日 21時) (レス) id: ac422af371 (このIDを非表示/違反報告)
ミミ - すみません、四女さんの髪型なのですが、2つ結びというと一般的にはお下げ髪だと思いますが、本文中ではツインテールとも書かれていました。細かいとは思いますが、どちらの髪型なんでしょうか? (2017年1月24日 18時) (レス) id: 794681af9d (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - ノンノンさん» コメントありがとうございます!がんばります! (2016年12月1日 11時) (レス) id: 060cf696e2 (このIDを非表示/違反報告)
ノンノン - 書くの頑張ってください! (2016年11月27日 10時) (レス) id: d309a533cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:M | 作成日時:2016年7月31日 9時