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ご飯を作り終わり、お皿などをテーブルに運ぶのを手伝ってもらった。
今晩のメニューは、肉汁たっぷりのハンバーグと、玉子と海老を和えたサラダ、野菜たっぷりコンソメスープ、そして最後に米粉を使った、マンゴーのプルプルプリンである。
2人でいただきますをして食べ始めると同時に、彼の目が輝く。どうやら彼のお口にあったらしく、内心ほっとした。
こうやって誰かと食卓を囲むのは何年ぶりだろう。最低でも2年間は1人だったなぁ。
もう一度。たった一度でいいから、もう一度家族皆でご飯を食べて、沢山お話をして・・・。
でも、そんな私の願いはもう永遠に叶う事はない。そんな事を考えていると、ジンさんが私の事をジッと見つめていた。
ジ「何考えてたんだよ。すげー顔してたぞ。」
彼にそう指摘され、初めてそんなに酷い顔をしていたんだと気づく。
A『昔の事を思い出していたの。ごめんなさい。ご飯の時間なのに不快な思いをさせてしまって。』
ジ「・・・、別に。」
多くは語らないけど、何を思い出していたのかなどを深く聞いてこないなどの、彼の小さな優しさを感じて心が満たされていく。
今日一日一緒に過ごしただけなのに、私は彼といることによって居心地の良さを感じるようになっていた。
前回会った時に銃で脅された事による吊り橋効果ってやつなのかな?
お互いがご飯を食べ終わり、私は洗いもが終わって2人でバラエティー番組を見ているのだが、彼は全くと言っていいくらい笑わない。私はゲラゲラ笑っているのに。
そう思って彼の顔をジッと見つめる。前回会った時も思ったけど、彼の瞳の色は深い緑色でとても綺麗。髪の毛もすごい長くてサラサラ。
私は、自分の目の色も髪の毛の色も好きじゃないから、外に出るときはいつもカラーコンタクトをして、ウィッグを着けている。
そして、ウィッグを着けやすいように長い間ショートカットにしているから、正直長い髪の毛は憧れている。
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箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年4月17日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユウナン | 作成日時:2018年10月26日 23時