何故か組織に気に入られちゃったんだけど【ジン】 (ページ15)

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無事に中学を卒業し、私は人間心理学科のある専門学校に入学した。

中学の頃の友達はほとんど違う学校に進学してしまったが、一番仲の良かった子は同じ学校に通える事になったため、心機一転頑張ろうと意気込んでいた。

元々学びたかったものだったため、私の集中力は凄まじく、成績は学年の中でも常にトップだった。

部活では、中学の時と引き続き弓道をやっていて、大会等ではそこそこの成績を残せるようになっていった。

その事から、周りからは文武両道と思われ、一部の人達からは憧れの対象として見られていた私だったが、どうしても皆に言えない秘密を抱えているため、そのように注目されるのは私にとっては、ストレスの元だった。

そんなこんなで、一時期精神状態が不安定な時期もあったが、家族の支えがあり、頑張って来ることができたのだが･･････。

そんな私に更なる悲劇が襲った。

放課後、部活で自主練していたのだが、その日はなかなか矢が的に当たらず、先輩達からも心配されていた。しばらくたっても調子が戻らなかったため部長に

「今日はもう帰って休め、白銀。」

と言われてしまった。確かに部長の言う通り調子が戻らないのにずっと同じように練習しているだけでは、何の意味もない時間を過ごす事になってしまう。

時には休む事も必要だと思い、部長のお言葉に甘える事にして帰る準備をしていた頃だった。

顧問の先生が慌ただしく、険しい顔をして弓道場に入ってきた。そして、よく通る声で

「白銀はどこだ。」

と言った。何事だと思い、大きな声で返事をすると先生は、やはり険しい顔をしながら手招きをする。私は小走りで先生の元へ向かった。

『どうしたんですか？先生。』

そう言うと先生は、私だけに聞こえる声で用件を伝えた。

「ーーーー。」

A『ｯ！じょ、冗談ですよね？』

先「･･･。本当だ。早く行ってあげなさい。」

A『!!失礼します！』

そう言ってなりふり構わずある場所えと全力で走る。

どうか･･････、

間に合って･･･。