第十九話【軍師級の策略家】 ページ20
異論のあるものが五人ぐらいいました
ドヤ顔で言った癖に、恥ずかしいよな。どうなんだよ布男。今どんな気持ち??
私はにまにまと顔を上げて布男を見上げる。だが、予想外の顔をしていた。いや、彼にとっては予想内だったんだろう
布男は一人一人の質問順を指定し、淡々とそれに答える
「五振りなんて持っていったらすぐバレるのでは」
「……対策済みだ。俺を捨てた事を後悔させてやろうと盗んできたものがある」
布の中から出したそれは見覚えのないもので、あるものだった
よく時代劇で見る、これが目に入らぬかー!のやつだ。しかし、家紋のようなものは刻まれていないし、漆塗りされているだけであった。それが何に使えると言うんだ?
「これは政府が開発していた超圧縮型収納装置だ。最大六振りが刀の状態でこの印籠に収めることが出来る。試作品ではあるが、近いうちに実用化するもののようだよ」
なんだそのなんとかボールならぬカタナボール。時代がポケットなんとかに追いついてきたのか。いつか人間も収納されたりしてね。科学の発展は恐ろしいものだ
「本部で刀だけの単独行動は如何なものか」
「他審神者が動物とかで刀剣男士しかいないなど、例外が揃っている場所だ。怪しまれはしないだろう」
「きみだけで主を守れるのかい」
「歌仙兼定。俺を誰だと思っている」
「連絡手段は」
「少し小型の通信機を付けていく。常に報連相を忘れるな」
「本部には誰も行ったことがないと思うのだが…」
「刀剣男士達には顕現時に本部の分布図が記憶機関に埋め込まれるんだ。例え見覚えのない場所でも脳内に地図が生成され、居場所を把握できるだろう。つまり……行けばわかる。」
__凄い。素直に凄いと感じた
それぞれの質問に戸惑うことなく答えていく姿は、どうやら本当に全て想定内で、布男は彼らの思考を読んでいたのだ
敵じゃなくて良かった。なんて心の底から思っている自分がいてぶん殴りたくなったが、事実だ
「以上か。なお、バレればそれ相応のリスクが伴う。決められた面々は気を引き締めてもらいたい」
布男は印籠をまた布の中に隠すと、私の元にしゃがんで縄を解いてくれた
いいとこあんじゃん…………。と、思ったのも束の間
私にしか聞こえない声で、後ろから耳元へ布男は言った
「借し二つ目」
と。
ハッとして振り向けば、布男は爽やかな笑顔を浮かべて「どうした?」と答えた
クソッッ!しくった!油断してた!こういうやつだった!
「見逃し」
「何か言ったか?」
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作者名:絶望少女 | 作成日時:2018年11月17日 22時