可愛い女の子には秘密がある【痣路不】 ページ35
(今日は本当に色んなことがあったなぁ)
夜の帳が下り、街灯が淡く不安げな明かりを灯す。暗闇を、街灯と星と月の明かりが照らすその光景は、まるでB級映画のワンシーンである。
そんなワンショットを、ユーリアは優雅に気楽にフラフラと。何処かの映画の美しい浮浪者のように歩いていた。しかし、黒いシャツに白いジャッケットとお揃いのズボン。赤いネクタイと自慢のモデル体型のせいで、言い換えればまるでホストのよう。
そんなホストもどきが影を見つけたのは、路地裏の近くを通りかかった時だった。
(おやおや、飛んだキティちゃんが迷い込んだねぇ)
キティ…子猫と表現したその影は、確かに少女そのもの。普通の少女と違うところをあげるのならば、その細い指を絡ませ、ギラリと怪しく光る包丁を握っているというところだろうか。
(如何にも"今から殺します"といった感じだねぇ)
もともと立てていなかった足音を消し、最初から消していた気配を完全に無くしたユーリアは、その少女の後を追った。
口元には、いつもの笑みを浮かべて。
数分、数秒。もしかしたら数時間かもしれない。少女は立ち止まったかと思うと、いきなり虚空へ包丁を振りかぶった。
静寂を保つ世界。しかし、ユーリアの耳には確かに聞こえていた。
声にならない叫び声を。
(あれ、絶対こたろーのお仲間の妖だ)
夜風の吹く音しか聞こえないのに、耳にこだまする不快な高い声。
星の瞬く音しか聞こえないのに、頭痛を引き起こす不穏な叫び声。
(この子、普通の子じゃない)
ゾクゾク、と。形容しがたい興味と関心が湧いたユーリア。気がつけば、ユーリアは話しかけていた。
「見事だね。あっぱれ!いつもこうやって殺してるの?面白いねぇ」
半円を描く口元。恐怖さえ感じるその笑みは、月明かりによって怪しく、妖艶な演出を施されていた。
「僕の名前はユーリア!自由学園最高学年だよ!君の名前は?」
驚くほど度胸があり、呆れるほど楽観的なユーリア。その瞳には、少女と闇だけが映されていた。
____________
ようやくモブ野ちゃんと絡めます。
キノコ猫さん、宜しくお願いします〜
美智、だいたいあってる。【キノコ猫】→←悲しっ!!! 【妖狐】
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SnowWhite(プロフ) - パート4作りました! (2018年7月5日 18時) (レス) id: 938cc38ee8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑鍋 - 感想書いてきました! (2018年7月5日 17時) (レス) id: d91aa289c8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑鍋 - 感想書きます (2018年7月5日 17時) (レス) id: d91aa289c8 (このIDを非表示/違反報告)
浮遊中のキノコ猫 - あ、直りました。さっきなんと言ったのかというと「なんかバグりました。更新終わりました。」です。 (2018年7月5日 14時) (レス) id: ab1536bd99 (このIDを非表示/違反報告)
浮遊tyuunokinokoneko - nannkabagurimasita。kousinnowarimasita。 (2018年7月5日 10時) (レス) id: ab1536bd99 (このIDを非表示/違反報告)
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