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虎太郎とユーリアの報告会【痣路不】 ページ29

「ねえ、こたろー!」

スタスタと前を歩く虎太郎に声をかけたのは、他でもないユーリア。ユーリアはその美顔にこれでもかというほど楽しそうな、そして嬉しそうな笑みを貼り付けていた。

「なんだ、ユーリア。新しい玩具でも手に入れたようなその笑みは」
「えへへ、今日はたぁくさん面白いもの見つけたからね」
「そうか。まあ好きなようにしろ。お前は__」

『地獄には落ちることはないからな』
虎太郎は、瞳を閉じてそう呟くように言った。

「それも考えものだけどねぇ。ママにもパパにも会えないし」
「仕方ないだろう。お前は無実の魂だ。生まれるべき命を捨てたお前の両親は、地獄に落ちなければならないのだ」
「それ、前にも聞いたよぉ」

戯けた調子で話すユーリアはその間も周囲の警戒…もとい観察をすることを怠らず、人や影に話を聞かれないようにと見えぬバリアを張っていた。

「にしても、本当に面白い学園だよねえ〜ここ。神様がいたり鬼がいたり幽霊がいたり天使がいたり…楽しくてしょうがないよ」

(それと、この学園の秘密とか対立している人とか白猫とか…ね)

心の中の声は虎太郎に告げることなく、ユーリアの口の中で溶けて消えた。

「こたろーは何かあった?」

ユーリアは腕を頭の後ろに回し、ヘラヘラとおちゃらけながら浮かない顔をする虎太郎に問いを投げた。

「…そうだな。俺の執事だったやつと、また前の関係に戻れたぞ。それから、幼い俺を加護してくれていた神に最も近い鬼にも出逢えた。俺もお前と同じで、いろんなことがあったな」

自嘲気味に笑う虎太郎。その目に光は無く、何処か寂しげに潤んでいた。

「…寂しい?悲しい?虚しい?」

微笑んだまま、ユーリアは違う問いを投げた。

「さあな。お前にはそんな感情は無いから、聞いたって面白く無いだろう」
「あはは、痛いところ突くねぇ」
「無痛無感…全知全能を手に入れる代わりの代償。罪無き魂の定めだ」
「…私をそう呼ぶの、やめてよねぇ」

眉尻を下げ、困ったような笑みを浮かべるユーリア。しかし、すぐにいつものヘラヘラと気の抜けた笑顔に戻った。

「ま、お互い苦労しそうってことだね!」
「ふっ、違いないな」

会話が終わると同時に、ユーリアは目に見えぬバリアを解いた。瞬間、喧騒が二人の耳に届いた。
ユーリアは、外部には内部の音が、内部には外部の音が入らない特殊なバリアを作っていたのだ。

「じゃあね、こたろー!」
「ああ。またな」

拳を合わせ、二人は別れた。

仕事もある【臨海林檎】→←…ね?神無さん【SnowWhite】



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SnowWhite(プロフ) - パート4作りました! (2018年7月5日 18時) (レス) id: 938cc38ee8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑鍋 - 感想書いてきました! (2018年7月5日 17時) (レス) id: d91aa289c8 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑鍋 - 感想書きます (2018年7月5日 17時) (レス) id: d91aa289c8 (このIDを非表示/違反報告)
浮遊中のキノコ猫 - あ、直りました。さっきなんと言ったのかというと「なんかバグりました。更新終わりました。」です。 (2018年7月5日 14時) (レス) id: ab1536bd99 (このIDを非表示/違反報告)
浮遊tyuunokinokoneko - nannkabagurimasita。kousinnowarimasita。 (2018年7月5日 10時) (レス) id: ab1536bd99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SnowWhite x他8人 | 作者ホームページ:ないぞ!  
作成日時:2018年6月30日 22時

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