皆集まれェェエエ！！自由な私達の（非）日常的学園物語！3【オリジナル合作小説】 (ページ19)

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忠実な犬と神様【痣路不】ページ19

辺りが白い煙に包まれたと思ったら、俺の眼の前には白犬かと思われる大きな…例えるなら狛犬だろうか。それが座っていた。

「虎太郎様、お乗り下さい！」

その声は確かに白犬のもの。こいつ、こんな姿にもなれるのか。知らなかった。俺が知ってるのはもっと小さくて可愛くてふわふわもこもこな白い犬だったのだが。
だが、まあ良い。

「…遠慮なく、乗らせてもらおう」

跪いて乗りやすくしてくれている白犬の背中に乗ると、思ったよりも安定していて温かかった。しかもふわふわ。今度またこの姿になってもらおう。

「白犬、校門まで吹っ飛ばせ」

そう命令すると、風に乗って走る白犬の巨大な体。雲のように軽々と跳び、重力など無いような錯覚まで起こる。
ほんの一瞬だけの飛行の後、ユーリアが見ていた幼子の近くに降り立った。横を確認すれば、白犬はすでに人間の姿に戻っていた。
どうやらこの幼子…もとい神は、鬼灯様と仲が良いみたいだ。
その神がまとう妖気と覇気は、俺には毒過ぎる。白犬は平気そうだが、鬼である俺はこれ以上近付きたくない。神と鬼は相性が最悪なのだ。鬼灯様のように、神に近い力を持つ鬼は寧ろその神が持つ雰囲気と相性が良い。
つまり、まだまだ俺は神のような存在ではないということ。少し残念だな。

「…神、か」

ぼそりと呟き、俺は踵を返して校内への道を辿る。

「白犬、好きに行動して良いぞ。俺は…あの幼子とは仲良くできそうにないのでな。戻らせてもらう」

緩やかな風が俺の髪を揺らし、ほんの少しだけくすぐったかった。
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ユーリアのが入らなかったので、二つになりました。申し訳ない。