人生もゲームもバグだらけ4【ぬらりひょんの孫】

京都に到着 ページ32

.


「月も沈んだ夜明け前、命知らずがまよいこんだか…？」




私たちは、ただ今京妖怪に絶賛包囲され中である




「きけ、そこの船。我こそは京妖怪 白蔵主！
ここからは鞍馬山上空より東に約四里の地点である」

「おお…そうだったか……」

「我らは羽衣狐様より京の空の守護を仰せつかりし者。
誰のものかもわからん船をここから通すわけにはいかん！
どこの手の者だ！！名を名乗れ」




京妖怪勢も、奴良組勢も両者戦闘の構えをするものの、京妖怪が動かないのでこちらも動かずじまい
なんで動かないんだ？と不思議に思っていれば白蔵主と名乗ったやつは名乗るまでは手は出さんと言った




「……え？アホなの？あの人」

「A様……」

「黒、そんな顔をしないで。
思わずポロって本音がでただけだ」




けれどやはりみんなもこれにはいささか困惑していた




「おぬしらは敵か？それとも味方か？
はたまた羽衣狐様の配下になりに来た者か？」

「バーカ！！だれがそんなためにくるかの！
この"畏"の代紋が見えねーのかい！」

「あ、納豆バカ！」

「え？A様？」




アチャーと片手を額に当てた
しかしこの京妖怪たちも既に気づいただろう
この代紋が京妖怪にとって最も嫌うと言っても過言でもないだろう奴良組のものであることを

納豆小僧のこのひとつの発言で、問答無用で敵認定され乱戦に差しかかると思いきや……




「やめんか！！！」

「は…白蔵主さま…」




飛びかかろうとした一人を止めるために白蔵主は持っていた槍を振るった
たった一振なのに凄まじい破壊力
思わず私は口元がひくつかせた




「下がれ、例え奴良組だろうが例外では無い…
双方の大将が名乗りを上げた後、戦うのが戦の作法である」




なるほど
そういう事だったか




「礼儀を律儀に守ってか」




戦なんぞ全くないこのご時世になかなか面白い奴だな
まぁ、妖怪だからそれが当たり前の礼儀だった頃から生きてるのかもしれないが




「奴良組総大将ぬらりひょん！
なにゆえ名乗り出てこんのか。
出て来ぬのなら致し方ない。
総力をあげてこの船を落とすことになるぞ」

「…………出すわけがなかろう」

「こんなやつの前にうちの大事なあととりを……」

「おいお前ら…」

「やつのいうことに合わせる必要は無い。
しかし…強いな」




うちの側近たちは良くも悪くも、真面目な奴らだと思う
でもリクオは本番でより成長するタイプだ
ならここはリクオにやらせるべき


.

＋＋＋＋＋→←＋＋＋＋＋

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す