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屋敷に着き珱姫はぬらりひょんに礼を言うやいなやパタパタとさっさと奥へ行ってしまった
抱えられてる間もずっとあくびを押し殺してるところがあったからだいぶ眠いのだろう
まぁ、今から寝ても数時間程度しか寝れないだろうが




「………帰さぬのかと思ったがな」

「本心言やぁそうしたいところだが、ワシは嘘をつく妖じゃねぇからのう。
珱姫に夜明けには返すと約束してた」

「………そうか………世話になったな」




背を向け、歩きだそうとすれば背後から覆い被さるようにふわりと抱きしめられる
両手を重ねるように、片手は指の間に指を入れ握り、もう片手は腹へ腕を回している




「なぁ…一緒になろう。ワシはやがて天下を取る…
その為にはお前が必要なんだ」

「っ」




女とは全然違う体
固くて、逞しいそれに収まったはずの熱がまた頬へと集まる




「…私の力が欲しいのなら、諦めろ」

「…ワシはあんたの力が欲しいわけじゃねぇ」

「貴様が私の何に惚れたというのかは知らんが…
そんなものただの気の迷いだ。
人間の私が貴様の傍にいたところで天下など取れん」

「いいや、取れる」

「貴様のその根拠の無い自信は理解出来んな」




人にしては強かったとしても、結局は人と妖
根本から違うのだ
何故それを、この者はわからんのか




「夫婦の件も、今のが答えだ」

「いいや、今のは答えじゃねぇな」

「は…?」

「それにいきなりの話じゃ。
そう直ぐに答えだせとはワシも言わん。
だから今宵、また来る」

「!な、っ、く、来るな!その話はこれで終わりだ!」

「一日じっくり考えろ。一日ずっと、ワシのことだけな」




ニヤリと笑い、ぬらりひょんは「じゃあのう」といつものように去っていった
きっとぬらりひょんのことだ
来るなと言ったところで、そんなもの聞かずに来るだろう

Aは胸元の着物を、無意識のうちに握りしめた










(この高鳴る胸は、一体なんだというのだ)

(私は、『恋』など……しておらぬわ)

計り知れぬ怒り→←+++++



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カリディア(プロフ) - 最高です!続き楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: dddfdc4b55 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 応援してます! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポケモンラブさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆりさんさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 続き気になりすぎてやばいから更新お願いします! (2019年7月17日 16時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月6日 17時

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