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護身刀 ページ12

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「珱、大丈夫か」

「ぁ…姉様。大丈夫か、とは?」

「そんな憂いた顔をしておいて何も無いなんてことは無いだろうて」




今日もまた珱が治療の日
いつも通りたくさんの金銭を積まれただろう父上はそれを承諾し私たちに治療させていた




「これから治療だろう」

「…えぇ。でも、大丈夫ですよ」

「…よい。今日は下がっていろ。私がやろう」

「え、あ、姉様!?」




今から向かおうとしていただろう広間に先に向かう私に珱は慌てて追いかけてくる




「よ、よいのです!大丈夫ですから!」

「だからそのような顔をして大丈夫なわけがなかろう。
私はそなたよりも何倍も丈夫だ。今は休め」

「そんな!姉様は昨日も治療をなさっておりました!
ですから今日は私が!」

「それで珱が倒れては意味が無い」

「それは姉様も同じでしょう!」

「私は珱ほど貧弱ではないわ」




言い争いをしながら広場に現れた私たちに父は少し驚いた顔をしていた
お前のせいでこうなってると言うのに、本当金のことしか頭にないクソ野郎だ




「父上、今日の治療はこの私が致します。
珱はどうも体調が宜しくないようで」

「そうなのか!?それはいかなんだ!
珱姫、ここはA姫の言う通りやってもらうのだ!」

「い、いえ!体調など悪くなどございませぬ!」

「珱、ならば私のそばで控えておれ。
私が治すのを見てるといい」

「そんな、姉様!」

「私が良いと言っている。くどいぞ」




珱に視線をやればグッと黙り込む
それを見て私は座りると、その少し後ろで珱も座った

目の前で頭を垂れる男二人と、肌にしみを至る所につけ痛いと唸る子供
確か、これは最近町でよく聞く流行病だ




「お願い致します珱姫様、A姫様。
どうかこの子を治してください」

「今日はこの私、Aが受けまする」




上座から立ち上がり、下に降りて子供の目の前に行く




「いたいよ…いたいよ〜」

「男子だろうて、そう喚くな」




頭を撫でながらそう言ってやる
子供の目が私に向き、目が合った
それに微笑む




「心配するな。この私がそなたを生かしてやる」




再度手をかざすとAの手から淡い光が出て、不思議なことにスゥ…と子供の全身にあったしみが消えていった




「し………しみが……消えた……」

「おぉ…おお!奇跡だ──!!
どこの医者も見はなしたのに!!姫は…神の子じゃ」



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カリディア(プロフ) - 最高です!続き楽しみに待ってます!頑張ってください! (2019年7月25日 21時) (レス) id: dddfdc4b55 (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 応援してます! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ポケモンラブさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆりさんさん» コメントありがとうございます!これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2019年7月17日 21時) (レス) id: 9e3e8858ee (このIDを非表示/違反報告)
ポケモンラブ(プロフ) - 続き気になりすぎてやばいから更新お願いします! (2019年7月17日 16時) (レス) id: 90acc880a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年7月6日 17時

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