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一通り遊んだ後、お父さんは周りに咲き誇る山吹の花を見て目を細めた
まるで私が前世のみんなに思いを馳せるような、表情で
「“七重八重 花は咲けども
山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき”」
ぽつりと
けれどはっきりと紡がれたひとつの古歌
「あのあと……山吹の花言葉を何度も調べちまったっけ」
無意識にお父さんの口から紡がれる言葉たち
「“気品”“崇高”そして………“待ちかねる”」
私はただ父の方を眺めていた
でもその次の瞬間には目を見開くこととなる
お父さんを『お父様』と呼んだ私とさほど変わらないだろう名も知らぬあの女の子がお父さんに向けて刀を向けていたからだ
──ドクリ──
血の気が一気に引いた気がした
だが反射的に腰の木刀を引き抜き、その女の子とお父さんの間に入るようにありったけの力でお父さんを押し飛ばした
ガガッドスッ
こういう時、本当に鍛えていてよかったと思う
「って！A急になにす……る……」
「グッ、っ、」
普通なら受け止められていたはずの一撃
けれど成長しきるどころか成長期にすらも入っていないこの身体では太刀筋を外らすことが精一杯だった
女の子のその刀は木刀を変に削り、私の左肩を貫く
こう言ってはなんだが、この痛みも久方ぶりだ
「ああ…ああ…鯉伴…さ、ま…？ああ…わ、わたし
ああああ…あああああああああ！！！！！」
たまたま白いTシャツ着てた為に貫かれたところからどんどんと服が赤く染っていく
それを見てその女の子は悲鳴をあげた
「Aッッ！！！」
「ひぇっひっひっひ、そうじゃ悔やめ女！！
自ら愛した男の娘を刺したんじゃぞ？
出来なかった偽りの子のふりをしてな！！
あっひゃひゃひゃひゃああ！！」
影からでてきた頭の長くそこに大きな目をつけた仙人のような妖怪
その妖怪によって無理やり引き抜かれるAの肩を貫いた刀には当然Aの血をベッタリとつけており、ピチャリと刀を伝い血が地面へと落ちた
「っ」
「Aッ！」
「だ、いじょうぶ」
「そんなわけあるか！！」
お父さんは私の肩に手を当てておばあちゃんから受け継いだという治癒力を私に使おうとしてくれたけれど、何故かこのキズはその力が発動しなかった
「なんでだよッ！！？クソッ」
痛みに顔を歪めながらも未だ叫ぶ女の子を見るとその子の目から血の涙が流れていて、次第に悲鳴が違うものに変わっていく
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ヒカル・ブラックウェル(プロフ) - 面白いです！もう家で声出して笑ってますw更新頑張ってください！ (2020年1月21日 8時) (
レス) id: a0f4c9fe9c (このIDを非表示/違反報告)
江(プロフ) - さーちゃんさん» さーちゃん様、コメントありがとうございます！お気に召されたようで嬉しいです！どうぞこれからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年8月10日 19時) (レス) id: 6fc283c30a (このIDを非表示/違反報告)
さーちゃん(プロフ) - 面白い!ぬら孫大好きです！更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月10日 13時) (レス) id: 577dc20b2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江
| 作成日時：2019年8月8日 21時
