雪雲126つ ページ36
─
「知……らね。何それ？」
何かの暗号？
心の底から不思議そうに聞き返してくる彼女。
答えは一瞬遅れたが、自分の頭の中を浚って本当に思い当たる様子がなさそうな風だった。
「そうか……本名は高遠遙一って言うらしい」
「人か。ふーん……そんな風に聞くって事は今追ってる犯人？手掛かり？なのか？」
端々にまつわる洞察力はスゴい。
「……そう。長いこと追ってる奴でさ。
ニュースとか見ないの？」
「んー、若干トラウマ的なもんがあってな」
そして、今もう一つ気づいた。
佐賀美さんのことを。
『犯罪のこと抜きで話せる大切な友人なんですから』
そう言った。
『話せる』ではなく、そもそも『話してない』のだとしたら。
自分の正体を明かさず、彼女と接している。
そう考えれば、佐賀美さんのこの無頓着な態度にもある程度納得がいく。
むしろそれを知っている人だったらこっちがたじたじになるまで色々と言われそうな気がしてたしある意味良かったかこれは？
普通自分の友人が指名手配されているまでの犯罪者などと思いはしない。
事実を欠片も知らず、佐賀美さんはあいつと良い友人でいるのか。
…………佐賀美さんに免じてだ。
この人の目の前で、その関係を横から出てきてぶち壊すような真似はしたくない。
そう結論付けると、突然ずいと握った拳を鼻先に突き出された。
「釣り。ラッピングもサービスしといたから美雪さんにちゃんと渡しなよ。」
「ありがとう。」
ニッと勝ち誇るような笑みを浮かべた彼女と軽く手をふりあいながら、店を出た。
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camellia(プロフ) - あみさん» ありがとうございます！続編もよろしくお願いします、頑張ります！！ (2019年8月1日 15時) (
レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
あみ - とっても面白かったです！これからも頑張って下さい！ (2019年8月1日 15時) (レス) id: e50713e1b7 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - え、携帯のお調子大丈夫ですか！？ わーい(ﾉ≧▽≦)ﾉ そう言っていただけると嬉しいです！ 正直リアルでの恋愛ゼロなので推しへの愛でここまで書けるとは思ってもなかったです() こっから面白くさせますよー！！！ (2019年7月18日 7時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
SR400 - 携帯壊れてから見てなかったんですが、久しぶりに見るとやっばり面白いです！めっちゃキュンキュンしました！ (2019年7月17日 22時) (レス) id: d097415149 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - SR400さん» 優しいお言葉誠にありがとうございます(*´▽｀*) 9話にも及ぶ長ったらしさによくぞお付き合いいただけました。これからも頑張らさせていただけます！ (2019年6月30日 8時) (レス) id: 24ff41186f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：camellia | 作成日時：2019年5月1日 8時
