結晶73粒 ページ25
─
写真も中学の入学式に撮ったので最後だったと思う。
「あの人達が貴方に殺されようが、私は正直何も思わない。
絶望も苦しみもしない。
家だって引っ越す直前だったし、私がこの事件によって苦労することなんて何一つない。」
貴方が私に出来たことは何もない。
唯一つ。
『
私をその名の呪縛から解いたこと以外は。
「…………じゃあ、逆に聞くが、だからなんだって言うんだ？
俺に今それを話してどうなると思ってる？
実刑は確実に下されるだろうが、衝動的な犯行だったと言えば情状酌量でたかが数年の懲役だろう。」
そうだろうね。
「別に良いんです。懲役が3年だろうが5年だろうが10年だろうが。
──────ただ、私は。
その数年の間ごく普通に生活します。
貴方が味あわせたかった絶望も苦しみも哀しみも、何一つ私には響かないで」
「満足ですか？自分のこれからの人生を棒に振ってまで復讐を果たせて」
「…………やめろ」
やめてたまるか。
立ち上がって彼と目線を合わせた。
「奥さんに、殺人犯の妻というレッテルを貼ってまで」
「やめろ！！」
バン！！とアクリル板が震えた。
拳を殴り付けているのは、丁度私の頭の位置。
「何してるの！？」
浅葱さんが勢いよく部屋の扉を開けた。
「浅葱さん。ごめん、待ってて。」
今まで辛うじて保ってきた真顔を崩す。
そして。
「…………！？」
最上級の、自分が考える最も美しい笑みを。
「…………貴方にどれくらいの罰が下ろうと、私は気にも留めない。
これから贖罪に費やす数年間が、全くの無意味だということを刻み込んで。
罰を、受けろ。」
青ざめた葉桐を見下して、後ろを仰いだ。
「終わりました。すみません、今日はもう帰って良いですか？」
「ああ。浅葱、後日でも構わないだろう？」
「ええ、まあ…………」
凍りついた葉桐に浅葱さんが何か声をかけ、面会室を出た。
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camellia(プロフ) - Ninja250さん» 急展開すぎてコケないようします笑 続きが読めないしか売りがないようなものなので() 二回目のコメありがとうございます！頑張ります！ (2019年4月20日 21時) (
レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
Ninja250 - !?!?!?!?びっくり!!急展開!続きが気になる!! (2019年4月20日 21時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - Ninja250さん» わおー！！ありがとうございますとても嬉しいです！過去編ちょっと風呂敷広げすぎましたけど笑 ご期待にそえるよう頑張らせていただきます！これからもよろしくお願いします！ (2019年3月31日 18時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
Ninja250 - うおー!今日見つけて今日読んじゃいました!すっごく続きが気になりますねえ!物語の展開が読めない!次の更新が楽しみです! (2019年3月31日 17時) (レス) id: 1223e64b98 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - 白ぴくみんさん» コメントありがとうございます！そうですよね……高遠さんの小説少ないので半分自分の欲を満たすためにも書き始めたこともあります笑 コメントとても励みになります、これからも頑張らせていただきます！ (2019年2月7日 6時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：camellia | 作成日時：2018年12月28日 21時
