雪花47輪 ページ48
─
「薫」
「ん？」
「薫ッ！」
「どーした二人して」
何故か交互に私の名を呼んできた雛とアリサは顔を見合わせる。
そして、双方両手をちょこんと揃えて私につきだしてきた。
「「はい！誕生日、おめでとう！」」
可愛らしい手のひら達に乗っかってたのは、リボンが結ばれた包み。
「……………あ、そっか。今日20日じゃん」
すっかり忘れてたんだが。
「自分の誕生日くらい覚えといてよ」
「すまんかった。………あれ？でも私伊月からなんも貰ってないけど」
雛からはスワロフスキーがついたペンダントで、アリサからは同じくスワロフスキーが文字盤にあしらわれた腕時計。
「あ〜、伊月は伊月で考えてるんじゃない？
サプライズとか好きでしょ」
「めっちゃ好きだな」
大学一年のとき幸大に意味もなくサプライズ仕掛けたことがあったんだよ実は。
そんでそのときにどっかの部屋改造して以来全サークルから出禁食らったという事件。
「……………」
雛とアリサが意味深に目配せしてるのにも気づかず、私は歩き続けていた。
ピーポーピーポー
「あれ、救急車？」
「みたいだね、なんかあったのかな？」
少し離れた交差点の向こう側の歩道に、自動車が突っ込んでいる。
そのとき、視界の端に映ったあるものを認識した瞬間、私は駆け出した。
嘘だ。気のせいに決まってる。
心の中で否定を叫びながらも、足を止めることはできなかった。
ひしゃげた車の下から引きずりだされたベリーショートの髪。
「……伊月ッ!!」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
camellia(プロフ) - すぃさん» 読んでくださりありがとうございます！ はーい行ってらっしゃいませ！！ (2019年10月20日 8時) (
レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
すぃ - camelliaさん» 続編行って来ます！ (2019年10月20日 8時) (レス) id: 045c20b509 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - まるさん» 申し訳ありません、修正の際に誤って立ててしまっていました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年1月2日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消されても仕方のない行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2019年1月2日 21時) (レス) id: cec6dd7646 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：camellia | 作成日時：2018年7月11日 20時
