雪雲23つ ページ24
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「世間では事故として報道されていますが、 舞台上の渡し板に、細工の跡があったんです。
それからこれは私が個人的に調べた事ですが、近宮さんが肌身離さずもっていたトリックを書き留めていたノートが紛失していたんです。
恐らく、そのトリックノートを狙った人物が近宮さんを────────」
「止めて！！」
突如、懇願するような悲痛な制止の声をあげた。
「止めて……ください。聞きたくありません」
何度か過呼吸のように息を吐いて吸うのを繰り返すと、佐賀美さんは口を開いた。
「…………さっきは分かったようなこと言ったけど、まだ、キツいんです。
何かつっかえてるみたいに、うまく現実が呑み込めなくて。
これも、マジックだったりするのかなって。
その内棺から玲子さんが起き上がって、なんてことなかったみたいに、また、あの顔で笑うんじゃないかって。」
缶をもつ彼女の手は固く握りしめられ、小刻みに震えていた。
「……玲子さんは、殺されたりなんかしちゃいけない、なんて思うんです……
後世に名を残すマジシャンとして、最後まで夢を、魔法を、観客達に味あわせて。
それなのに、そのマジックのために玲子さんが殺されるなんて……！！」
彼女に初めて会ったときのことを思い出した。
近宮さんと知り合って間もない頃、楽屋のドアをノックして現れた佐賀美さん。
『玲子さん！公演成功おめでとうございます！』
『薫ちゃん！毎回来てくれてありがとう。
あ、紹介するわね。友人の明智さんよ。
明智さん、この子は佐賀美薫ちゃん。
昔からずっと私のファンでいてくれて、娘同然なの！』
近宮さんにとって佐賀美さんが娘同然だったように、佐賀美さんにとっても、近宮さんは母親のような存在だったのだろう。
母親が殺されたと言っているも同然だと思い謝罪を述べると、彼女は静かに首を横に振る。
「それに……ダメです。
私には、玲子さんの仇は討てない。
そんな勇気、ないから。」
いたたまれなくなって、彼女に向き直った。
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camellia(プロフ) - すぃさん» 読んでくださりありがとうございます！ はーい行ってらっしゃいませ！！ (2019年10月20日 8時) (
レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
すぃ - camelliaさん» 続編行って来ます！ (2019年10月20日 8時) (レス) id: 045c20b509 (このIDを非表示/違反報告)
camellia(プロフ) - まるさん» 申し訳ありません、修正の際に誤って立ててしまっていました。ご指摘ありがとうございました。 (2019年1月2日 21時) (レス) id: 3318b01060 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい、違反行為です。外し忘れ、とかいう軽い意識はおやめ下さい。作品を消されても仕方のない行為です。オリジナルの新着に二次創作が上がってくる事を不快に感じる人もいます (2019年1月2日 21時) (レス) id: cec6dd7646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：camellia | 作成日時：2018年7月11日 20時
