水族館は時に人を大胆にさせる ページ28
『ウツボってなんだか退さんみたいですね』
「えぇっ？俺あんな瞳孔ガン開きじゃないけどなぁ………」
『ジッと岩影にいるとこがお仕事中の退さんみたい………かっこいい』
「か、か、かっこいい？！そ、そ、そうかな？」
『はい♪退さんは………かっこいいですよ』
少し暗い水族館の中だからかAさんはいつもより緊張していないように感じる
『あっ！退さん見て見て！チンアナゴ！可愛い〜♪』
Aさん……チンアナゴよりアンタが可愛いんですけど？！？
「……よし。」
水槽に触れているAさんの手……その手の上から自分の手を重ねてみた
この暗がりのおかげかいつもより俺も大胆になれる気がしてきて、重ね合った手を握りそのまま指を絡めて手を繋いだ…
『退さん……』
繋いだ手を握る力をAさんが強めて……顔を赤らめて俺を見上げている
「Aさん……」
まるで磁石のようにお互いの顔が近づいていく………久しぶりのキスの予感に心臓が高鳴る
「A殿ぉ〜〜！あそこにクラゲが………オワァッッッ！」
ｽﾞｺｫｯｯｯ！！
いきなり出てきた副長(トッシー)は、段差につまづき顔面からずっこけた
『トッシー！だ、大丈夫？！？』
「あっ……」
握った手を離すとトッシーに駆け寄るAさん……
クソォオオオオ！！トッシーめ！！！
わざとなのか？！？良い雰囲気ぶち壊してんのはわざとなのかｧｧｧｧｧ？！？
「痛たたた…ったく！あと一人の俺どんだけ鈍臭ェんだ」
『あれ？もしかして……トッシーから土方さんになりました？』
「あぁ。コケたおかげで出てこれたみてェーだな」
「嘘だろ……」
「なんだ山崎。俺が戻るのは不服か？」
副長がニタリと笑っている……Aさんを奪うつもりなのかと考えると頭ン中が白くなる。
ウツボみたいなガン開きな睨みを副長にしてやりたいけどそんな度胸は俺にはない。
「安心しろよ……男がいる女にチョッカイ出すような野暮は俺はしねェからな」
「副長………」
本当にそうなのか？あんなにAさんにゾッコンだった副長がAさんと俺が付き合ったことで諦めたってのか？
『そうですよ退さん♪安心してください！チョッカイかけられたとしても私は退さんにしか靡きませんから』
「Aさん……」
緊張と疑心暗鬼で冷えた俺の心をAさんは暖めてくれた…………彼女をより愛しく感じた
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ちー - 終わりって書いてるんですけど続きありますか？すっごいこの小説好きです！ (2022年9月19日 15時) (
レス) @page40 id: 9c6bdad68c (このIDを非表示/違反報告)
Ais - つ、続きはどこに！？ 続きください！いつまでも待ってます！ (2022年7月8日 2時) (レス) @page40 id: a23b86f862 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！更新待ってます！！ (2022年3月25日 1時) (レス) @page40 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
Zoo(プロフ) - さくらぎさん» さくらぎさん☆ミコメントありがとうございます！お褒めの言葉に癒されました( ；；)更新がんばりますのでまたぜひ読んでいただけると嬉しいです( ＾ω＾ ) (2021年3月2日 19時) (レス) id: 10217891d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらぎ - 素晴らしい文章に、とても癒されました。ありがとうございました。 (2021年2月28日 22時) (レス) id: 97d3a30c6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Zoo | 作成日時：2020年8月5日 17時
