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玄関に入り、すぐに洗面所の鏡へ駆け寄る。
自分の目を見た。
しっかりと黒い。
あの気持ちは怒りと言うより、
憎み…?
恨み…?
どの言葉も私にはピンと来なくて。
でもひとつ言うならば。
「…殺意」
こんな私が他人を殺すだなんて。
しかも目で。
この目の力はなんなの?
私はこんな目いらない。
欲しくもない。
もう分からない…!
私は両手で自分の目を圧迫した。
どんどん押し付ける。
痛みなんかどうだっていい。
眼球が潰されていく…はずだった。
不意にインターホンが鳴った。
私は特に痛い左目を手で覆って玄関に出る。
「…どなたですか?」
もちろん俯いたまま。
「マサイです」
私は左目を覆ったまま、少しだけ顔を上げる。
顔が見えない程度に。
「こんな時間にどうしたんですか?」
「目、瞑ってくれる?」
「えっ…」
抵抗する間もなく、左手にマサイさんの手が触れる。
反射的に目をぎゅっと瞑った。
左目がまだジンジンと痛む。
「左目…どうかしたの?」
私はマサイさんの手を解いて左目をまた覆う。
自分の手で潰したなんて言えない。
とりあえずの口実を…。
「か、痒すぎて…ヘルペスになっちゃって」
「あー、あんまり触らないようにね」
「あ、ありがとうございます…あと」
「ん?」
「どういったご要件でしょうか?」
1番の目的である。
これからは簡単に人を入れないでおこう。
「あーせっかく知り合ったからメンバーに紹介しようかなって」
「メンバー?」
「ってことでちょっと来てくれる?」
「えっ、は、はい?!」
ちょっとだけ時間を貰い、持ってきていた救急箱から眼帯を出して、左目に付けた。
「あ、その方がいいかもね」
「ですよね」
マサイさんが私の手を引いてすぐ隣の部屋へ入る。
「連れてきたぞー」
「どんな子?どんな子?」
「あれ?」
「え?」
みんな私を見てるのだろうか。
そりゃ見てるか。
玄関にぞろぞろと数人集まる。
「は、はじめまして…」
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ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» 楽しみですー! (2019年10月30日 7時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか!ありがとうございます!続編では歌い手さんも出す予定なのでぜひ楽しみにしててください! (2019年10月30日 0時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - わたし、歌い手×Fischer'sが大好きで(笑)、すごい楽しく読ませてもらってます〜(*^^*) (2019年10月29日 23時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» ありがとうございます(*T^T) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか?!ありがとうございます!全然、いつでもコメントしてください! (2019年10月27日 17時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さな x他3人 | 作成日時:2019年10月11日 18時