。 ページ24
彼女を見つめた。
目は黒でも白でもどんな色でもない。
ただ、透き通る虹のような色。
「神様…？」
「目が痛かったのは、新たな感情が生まれる前触れなのよ」
「そ、そうなの？」
私はゆったりと歩く神様の横を歩いた。
白いドレス姿。
体が淡く光っていた。
「ええ。でもあなたは目を覆って潰そうとした。そんなに痛かった？」
「痛かった！耐えられないわ…」
「それは、申し訳なかったわ」
「…どういうことなの？」
神様が手を出す。
掌から透明の魚のような生き物が現れる。
ふわふわと泳ぎ始めた。
「綺麗…」
「これは、あなたの心にいる妖精よ。これらがあなたの感情を操ってるの」
魚たちが撚ってきて私の首をくすぐる。
「でもあなたはそれを止めた」
「だって…！そんなの知らないじゃない…」
「はぁ…仕方ないわね。もう一度チャンスをあげる。あなたの運命の人だと思う相手を見つめなさい」
「見つめたら…？」
「その答えはあなたが持っているわよ」
目の前が歪んだ。
意識が遠ざかっていった。
「…Aっ！」
声が聞こえる。
私はうっすらと目を開けた。
見慣れない天井。
知らない匂い。
「…ま、さい？」
「よかったぁ…！」
マサイは私に抱きついた。
マサイの匂いだ。
柔らかくて、暖かくて、落ち着く。
「でもなんでここに？」
「花畑の前に倒れてたんだよ。めっちゃ探したんだからっ…」
「…ごめんなさい」
私は微かに震えているマサイの頭を撫でた。
初めて抱きつかれた。
まだ気持ちがわからない。
マサイが私から離れる。
温もりが無くなり、肌に冷たい空気が触れた。
少し寂しい。
私はマサイの頬に手を添えた。
目を合わせる。
「A…？」
もしマサイが運命の人なら。
私の好きな人なら。
あなたは私をどれほど愛してくれるの？
理解してくれる？
一緒に泣いてくれる？
笑ってくれる？
手を繋いだりキスしてくれるかな？
私はまだあなたがわかんないよ。
「…ありがと」
私は小さく呟いた。
あなたの耳には届いてたみたい。
微笑むマサイ。
「どういたしまして」
まだ帰りたくないなんて、思ってないくせに。
マサイの服の裾を掴んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» 楽しみですー！ (2019年10月30日 7時) (
レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか！ありがとうございます！続編では歌い手さんも出す予定なのでぜひ楽しみにしててください！ (2019年10月30日 0時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - わたし、歌い手×Fischer'sが大好きで(笑)、すごい楽しく読ませてもらってます〜(*^^*) (2019年10月29日 23時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 愛恋さん» ありがとうございます(*T^T) (2019年10月27日 19時) (レス) id: 638a835745 (このIDを非表示/違反報告)
愛恋(プロフ) - ゆりりんさん» マジですか？！ありがとうございます！全然、いつでもコメントしてください！ (2019年10月27日 17時) (レス) id: a1456b30f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さな x他3人 | 作成日時：2019年10月11日 18時
