48.垣間見た日々 ページ49
.
闇の中に、放り出されてしまった。
しばらく手探りをしていると急速に周りが明るくなっていく。
眩しさに目を細めながらも周りを見回すと、見慣れた本丸の風景だった。
「主様〜!!」
という声が聞こえて、短刀達が廊下を駆けてくる音が聞こえる。
「ちょっ……え?」
僕の近くに足音が迫っても速度を落とす気配がなくかなり焦ったが、短刀達は僕に触れることなく通り過ぎて行った。
つまりはまぁ、僕の体をすり抜けていったのだ。驚いたことに。
『あら、どうしたの?』
呆然としている僕の耳に届いたのは、普通の本丸生活では滅多に聞かないであろう女性の声。
不思議に思って、声のする方に歩いていけば、柔和な笑みを浮かべる女性とその
「短刀の皆で折り紙を折ったんです!上手くできたから見て欲しくて!」
『わぁ、凄く綺麗に折れたのね!凄いわ!』
そう言って、短刀の頭を順に撫でる女性は、多分審神者なのだろう。
黄色い着物の良く似合う女性だった。
「ぬしさま、そろそろ政府の役人と見習いが来る時間ではございませんか?」
「あぁ、そうだったわね。…それじゃあ皆、ちょっと政府の人とお話してくるから待っててね」
「はーーい」
あぁ、これは初代の審神者が居た頃の日々なのかと思った途端に世界が色褪せていく。
きっと、この後はどんどん本丸の状況が悪化していくのだろう。
見える景色全てが、色のない白黒テレビのようになった頃、遠くで小狐丸さんが僕を呼んでいる気がして、そっと目を閉じた。
.
久々の更新!しばらくほったらかしててすみません…!!
一言でも感想送ってくだされば小躍りして喜びます(作者が)
427人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佑菜(プロフ) - 五月七日さん» 応援ありがとうございます。話の続きを待たせてしまって申し訳ないです。 (2018年10月24日 12時) (レス) id: 4551e98c94 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年10月5日 20時) (レス) id: dbeede1e64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佑菜 | 作成日時:2017年4月23日 18時