38.卵焼きの味は ページ39
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?「よぉ。」
貴「おはようございます。具合はどうですか?……薬研藤四郎さん」
薬研「まぁまぁといったところだ。……よくわかったな?」
貴「声で覚えていました。記憶は得意なんです。」
薬研「そうか……。」
あらかじめ熱していたフライパンに卵を流し、手際よく巻き始める。
薬研「…昨日、兄弟たちに飯を食わせたんだってな。」
貴「えぇ、そうですね。」
薬研「握り飯まで乱たちにもたせた。……なんのためだ?」
貴「…?食事をとることに理由がいりますか?お腹をすかせた者には食事を、喉が乾いている者には水を与える。当たり前のことです。」
薬研「…だが、俺はお前さんを斬り殺そうとしたんだぞ。俺たちが…怖くは、ないのか?」
貴「怖くない、なんて言ったら嘘になります。」
斬られそうになったのだ、怖くないはずがない。
貴「でもそれで怖気付いて背中を向けるなんて、ここを任された以上できないので。」
薬研「………。」
黙り込んでしまった薬研藤四郎さん。
気にせず卵焼きを焼いて、お皿に盛る。
貴「よしもう一本。…あ、包丁藤四郎さん、つまみ食いはだめですよー。」
バレたかって顔をしながら包丁藤四郎さんが出てきた。
可愛かったので、少しだけですよ?と卵焼きを口に放り込むと嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。
ついでに薬研藤四郎さんの口にも押し込んでおいたらびっくりした顔をしていた。
薬研「……………うまい。」
貴「それはよかった。」
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佑菜(プロフ) - 五月七日さん» 応援ありがとうございます。話の続きを待たせてしまって申し訳ないです。 (2018年10月24日 12時) (レス) id: 4551e98c94 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 凄く面白いです!応援してます!更新待ってます! (2018年10月5日 20時) (レス) id: dbeede1e64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佑菜 | 作成日時:2017年4月23日 18時