莉犬の姉をおとしたい!!

23,過去 ページ24

《でね、過去のお話を動画として作ってきたから今から流します！...ふぅ...》



＜無理しないでね。

＜ありがとうございます！




《では、どうぞ。》ﾎﾟﾁ


動画の内容は、私たちが親から受けたちょっとした虐待。暴言。


莉犬のすごした過酷な人生。


姉弟であるから分かるつらさだった。



莉犬が男らしくしなさいって言われていたのと同時に私は女っぽくなかった。だから女の子らしくしなさいって。


私も莉犬も真逆だったの。


だからいつも2人で泣いてお互いになれたらって何度も願った。



胸を潰す手術を受けたいと相談してくれた。

それが嬉しくて。私は莉犬の人生だもの。と言ってお金を出してあげた。


でも手術する前にお母さんに見つかって。


体を変えないでって。弄らないでって。


私は1度言われたことがあったの。貴方はペットよ。って私は言われたって別によかった。でもその時莉犬に言ったの。


ペットよって。



莉犬は全てを悟ったように。地面に崩れ落ちた。


耐えられなかった。だから私はお母さんに手を挙げた。

そして、アンタの娘なんかに生まれたくなかった。生まれてきたくなかった。いっその事産まれる前に死んでしまいたかった。


って。泣きながらそう叫んで。莉犬の手を掴んで家を出たの。


私の持ってる分のお金だけで何日かホテルに泊まってすごした。


でもそのあと警察に見つかった。


事情を話したら大事にはしないって言ってくれた。



その後は莉犬が中学２,３年生になった時に行ってらっしゃいと見送りしたあとこっそり家を出たの。



そこからは何十年も莉犬を1人にした。でも莉犬はいい人を見つけた。5人も。


よく頑張ったと思った。




《動画》

でね？俺が中学２,３年生になった時、姉ちゃんが朝『行ってらっしゃい！頑張ってね！』って笑顔で見送ってくれて、俺姉ちゃん大好きっ子だったからめちゃくちゃ張り切って学校行ってさ〜。

帰ってきて姉ちゃん〜って部屋に飛び入ったら中身が空っぽなの。あるのはベッドとかクローゼットとか。

また、遊んでんだなと思ってさ、めちゃくちゃ探したんだよ。ソファの下とかw

でもいなくて。人生の中でペットだなんだって言われるよりそっちの方が断然辛かった。


━━━━━━━━━━━━━━━

私は自分のことばかりだった。


今すぐ莉犬を抱きしめたくて私は部屋に飛び込んだ。








あの日私を探した莉犬のように。

24,真実→←22,誕生日

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す