訳ありすとぷりメンバー2

98話 ページ50

るぅとside





タクシーが来たといい玄関に向かう優月さんについて行き見送りをした。






扉の空いたタクシーに近づく。





すると急に体が傾いた。




気づけば僕はタクシーの中にいて





『じゃあ先程伝えた場所に向かってください。』








それだけ言うと扉は閉まり出発してしまった。






る｢どういうことですか！？誘拐ですよ！｣






『えー？だってメンバーじゃん！誘拐ではないよ


観光だよ！観光ー』








もう訳が分からなくてにこにこして隣に座る優月さんの横で不機嫌オーラを出して外を眺めた。






少ししてタクシーはとまり扉が開いた。





『ありがとうございます！』





そう言って代金を払った優月さんにまた手を引っ張られ強制連行。





手を引っ張りながら前を歩く優月さんはとても小さくて今更だけどびっくりしたのは秘密です。








そして引っ張られ着いた場所は






る｢海？｣




そう。海だったのだ。



潮の匂いがして、太陽を反射しキラキラと輝いていて何年ぶりにきただろうかと思った。



でも問題はそこじゃなくて






る｢なんでここに来たんですか｣




そうたずねると




『ねぇ海って知ってる？』




なんて聞いてきて




る｢？知ってますよ。ここですよね？｣





『ふふっ、ごめん、海の中のこと』





る｢海の中？｣





『そう。そこは...深くて暗くて冷たくて広くて重くて苦しくて...空気がないの』






理解に苦しむようなことを言い続ける優月さん






る｢何が言いたいんですか？｣





そう聞いてみても少し微笑むだけで答えてはくれない。するとサンダルを脱ぎ1歩ずつ海へ入る優月さん




る｢なにしてるんですか。｣






『海ってね。深くなればなるほど這い上がれなくて辛いんだ...。じゃあなんで私は今ここにいると思う？』






僕は気づいた。正解かは分からないけど



多分優月さんは









る｢.....｣









海を知りすぎた。

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