prologue ページ2
私が"私"を捨てたのは中学2年生の時でした。
小学校低学年まではスカートだって履いてたし、髪だって長かった。
だが、私はいわゆるジェンダーレス女子というものだということに気づいた。
たまにいるじゃない？背が高くて男子よりかっこいい女子が。
私はかわいい服の似合わない女子だった。だんだんとそれをいじられるようになった。
｢女の癖に男みたい。｣
別にそれでもよかった。男っぽいならそれでも別に気にしなかった。
でも
｢男みたいなくせに胸でかーw｣
そう言われる方が辛かった。おとこおんなって言われもしたし、トイレに行く度に
｢お前そっち女子トイレだぞ〜？w｣
なんて冷やかされもした。
私の家はあまり裕福ではなかった。
中学に上がる時、親に言われた言葉。
｢あんたが男だったらよかったのに｣
男子の制服の方がいくらか安いから。
そしてあとから知った事実。
｢あんたは避妊に失敗して産まれちゃったのよ。｣
笑うしかなかったよねw
失敗作なんて言われちゃ、なんて返したらいいかわからなかった。
男ならまだ喜んで産んだらしいが女と知った時中絶手術も考えたそうだ。
そして両親は男の子が欲しくて今度は望んで子供を授かった。
そしたらさ、運良く男の子が生まれてしまったの。
そのせいで私という存在は元々あの家に濃く存在することなんてなかった。
母は辛うじて男っぽい顔立ちの私に男物の服を着させた。
髪を伸ばすことを禁じた。
"私"というものを禁じた。
中２の時に俺が出来たんだ。胸もサラシで潰して、髪も伸ばせず男になりきった。そうすることで家族が俺を望むなら...。
高校は制服が任意だった。もちろん指定の制服だが細かいことは緩かった。
だから両親は俺に男用の制服を着させた。
それで満足するならそれでもよかった...。
ただ、弟との差は沢山あったんだよ。
ホントの男と女では違いが生じて...。俺は大きくなっていく弟に負けた。
弟がいるからあんたは必要ないと告げられ、俺という存在自体があの家から消えた。
所詮は男装"女子"
望まれた"男"にはなれなかった。
失敗作少女／A【初投稿】
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花優月(プロフ) - ゆづきさん» おぉ！偶然！より一層楽しめそうで良かったです！読んでいただきありがとうございました！ (2021年6月17日 22時) (
レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
ゆづき - お名前が漢字まで同じで、びっくりしました…。男装などのお話が大好きなので楽しく読ませていただきました！ありがとうございます！ (2021年6月15日 22時) (レス) id: 5fef0bb4eb (このIDを非表示/違反報告)
花優月(プロフ) - 未来さん» 偶然！！そして羨ましい！！誕生日にこのお話を読めばメンバーから祝ってもらえるということですね！？w (2021年6月4日 7時) (レス) id: 6d62355e34 (このIDを非表示/違反報告)
未来 - 夢主と誕生日同じだった (2021年6月3日 23時) (レス) id: 79a7d4162d (このIDを非表示/違反報告)
nako@ほわむん@永遠のみるく◎(プロフ) - 私も花優月さんと同じ気持ちで、愛想笑いして、誰かに求められたくて、だから話を合わせてもみんな結局は裏切ってどこかに行ってしまう。辛いです。一緒にこの世から逃げませんか？ (2021年2月12日 22時) (レス) id: a5c18e4a67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花優月
| 作成日時：2020年3月24日 0時
