君は私の一等星 No8

番外編6　〜海〜 ページ17

野坂「どうかした？Aちゃん。顔真っ赤だよ？」

『な、なんでもないっ！ほら、スイカ食べよ！』

私がスイカをもらいに行こうとすると、目の前にスイカが出される。

野坂「はい、どうぞ。君たちの分なら、僕がとっておいたよ」

『え、あ、ありがとう……』

恐る恐るスイカを受けとると、野坂くんはニッコリ笑う。

野坂「はい、一星くんも」

光「すみません、ありがとうございます」

私達にスイカを渡すと、野坂くんは自分のスイカにかぶりついた。

『そういえば野坂くんって、スイカ好きだったね』

野坂「まあね、僕もなんでかはわからないんだ」

そう言って、野坂くんはスイカを食べ続ける。

光「種はどうするんですか？」

『うーん……どうなんだろ』

私と光くんが種をどうしようか悩んでいると、

剛陣「見てろよ〜？種飛ばし！」

明日人「おおー！すっごく飛びましたね！」

剛陣さんが種を飛ばし、それを見て感心する明日人の声が聞こえた。

私は二人を見て、ドン引きする。

『全く……意地汚いなぁ……』

光「あはは……」

呆れて言った私に、光くんは苦笑する。

野坂「杏奈さん。スイカ、まだあるかな？」

杏奈「え、ええ……あるけど、まだ食べるつもりなの？野坂くん」

野坂「まあね。くれるかい？」

杏奈「いいけど、あんまり食べすぎてお腹壊さないでね」

振り向けば、野坂くんが杏奈ちゃんからスイカをもらっているところだった。

『野坂くん。スイカいくつ食べたの？』

野坂「うーん……3つめかな？」

その言葉に、光くんが少し呆れたように言った。

光「お腹壊しますよ？」

野坂「大丈夫さ。どうってことないよ」

『全く説得力がないんだけど……』

またもや大口を開けてスイカにがっつく野坂くんを見て、私はため息をついた。

『それじゃ、私はごちそうさまでした』

光「俺もごちそうさまでした」

スイカを食べ終えた私と光くんは、スイカの皮を捨てて海に入った。

『あ、パーカー脱いでくるね！』

光「え、あ、ちょっと！Aさん！」

光くんの呼び止める声に気づかず、私はパーカーを脱いでハンガーにかけた。

何人かが、こちらを見てぎょっ、としている。

『お待たせ、光くん！』

光「は、早く行きますよ！///」

私の姿を見たとたん、光くんはぶわぁあっ、と顔を赤らめる。

『慌てなくても、少し浅瀬に居ようよ。ね？』

光「………はぁ、わかりましたよ」

光くんは少し不満そうにしていたが、私のお願いを渋々受け入れた。

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