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じゅうななわ ページ20

(不服だけれど)初対面の太宰くんたちとも仲がよさげだったし、僕たちも蠟よりではあるから、信じないはずがないし。

ん……? 不服……?
蠟に仲のいい人ができるのはいい事で、太宰くんだって蠟のことも尊敬しているから仲良くなることは太宰くんにとってもうれしくて、当然の成り行きというものだ。

じゃあこの紫煙のようなこの気持ちは一体……。
いや、今はそんなことよりもこの話だ。

蠟が寛みたいな性格だったら簡単に白状してくれそうなんだけどなぁ、蠟はそんなことがないから厄介だ。
それが蠟のいいところでもあるのだけれど。

いつ司書さんとの会話が聞けるかもわからなければその時の会話が必ずしもそのこととは限らないから大変だ。
もう一度だけ直接聞いてみたら諦めて答えてくれたり、そこまでいかなくとも何かわかるなんてことはないだろうか。


「龍ーって、いつにもなく険しい顔をしているな。どうしたんだ?」

「寛。いや、どうしたら蠟は本当のことを言ってくれるかなぁって」


向かいから来た寛に思わず助けを求める。
もしかしたら寛がいい案を出してくれるかもしれない。

あの蠟のことは寛が一番知っている気がする、いや、本当は僕が一番の方が嬉しいけれど、こればかりは寛の方が出会った時間も交流していた期間も長いからなぁ。
うん? なんで一番のほうが嬉しいんだ?

単に好きだから、では説明がつけられないし、なんだろう、何でも蠟の一番になれると嬉しいけれど、それは好きという感情に起因するものではないし。
独占欲? どうして急にそんなものが。


「確かに、絶対何かあるよな。でもカマをかけようにも頭が切れるから通用しないし、いつ部屋から出てくるかわからないから問い詰めるのは難しそうだ。
あ、そうだ龍、明日の朝の潜書が蠟の代わりに龍が入ることになったって。聞いてたか?」

「え、何それ、聞いてない!」


なかなか出てこない案に行き詰まると、重要なことを思い出したような声で司書さんからの伝言を伝える。
僕と蠟が交代!? どうして!

やっぱり司書さんが僕達と蠟を近づけたくないのかな。


「なんでも司書が急に変えたんだとか。俺も不思議に思って聞いてみたら涙目で『本当は蠟月先生にも経験を積ませようと会派に組んだんですが、働きたくないから会派に入れるなと脅されてしまって仕方なく』だとよ」

「与えられた仕事もまじめにこなしていた蠟がそんなこと言うわけない!」

じゅうはちわ→←じゅうろくわ



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のんしゅ(プロフ) - しばらく更新停止するつもりです。ほんとすみません。できるだけ早く投稿できるようにしますので、待っていてくださると嬉しいです。 (2022年2月11日 17時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
文ストファン - いつ見ても面白い!!!!!! (2022年2月11日 14時) (レス) @page27 id: 643207991d (このIDを非表示/違反報告)
のんしゅ(プロフ) - わぁぁぁ! ありがとうございます! すごく励みになります! 若輩者ですが、頑張って投稿始めようと思います (2022年1月30日 22時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
文ストファン - ヱァァァァァァァァァァァァァァァァ素晴らしい作品ありがとうございます! (2022年1月30日 21時) (レス) @page27 id: 9e1177ce22 (このIDを非表示/違反報告)
のんしゅ(プロフ) - 十話ごとに閑話休題を入れるつもりです。もし短編リクがあればコメント欄かボードにお願いします。 (2021年6月6日 13時) (レス) id: b8f455d9e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のんしゅ | 作者ホームページ:No.  
作成日時:2021年6月1日 23時

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