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「次〜……は、実践やって聞いとったし、ヘーキやない?」
「アマミヤ先生ですね。確か、元Sランク冒険者の」
少し考え込んだシマ様は、その後ゴーサインを出す。
まぁ、アマミヤ先生ならいい感じに躱してくれるだろ。
多分。
ベルフェゴールだって子どもじゃないし、ちょっと気に触ること言われたって大人の余裕で流してくれるだろうし。
◇
「一番最後だよ〜。って、その人は君の来賓のベルフェゴール? どしたの?」
「授業に間に合わなそうなので、送ってもらいました」
ベルフェゴールに気づいたアマミヤ先生は、俺にどうしているのかと確認する。
ここに来る途中に口裏合わせした通りの言い訳をしている間に、ベルフェゴールは無言で認識阻害魔法を発動する。
その効果はすぐに出たようで、アマミヤ先生は何事もなく授業を始める。
「んで、今日は自分の得意を伸ばすんじゃなくて、組み合わせで強くしようって授業。
もちろん、魔法戦闘において自分の得意を伸ばして相手に勝った方がいい。でも、隣に複合魔法ができる人がいたら? もっと強い魔法が打てるよね! ってことで、やってみようか!」
にこっ! と満面の笑顔でペアを作るように促す。
俺は、組み合わせもクソもないので、エルさんと一緒にひたすら自分の魔法を伸ばす。
つまらないが、仕方がない。
そもそも闇属性と光属性は他より伸びにくいから、これで調整していると言ってもいい。
突然伸びることもあるけれど。
「せーんらっ! 一緒にやらん?」
「ええよ。ところで、なんでベルちゃんおるん? ルシフー、なんで?」
「それがですね……」
おれのそこそこ近くでサカタ様たちが集まり、雑談を始める。
サカタ様たちは除外したんだ、ベルフェゴール。
センラ様の問いかけに、さぁ? とサカタ様は返し、センラ様にいきなり尋ねられ、おれの部屋での出来事を話し始める。
「あぁ、だからみんなの周り動いてるのに誰も気にしぃひんのや」
「すっげー! え、どうやんの?」
「何も教えてもらえなかったので、なんとも」
納得した様子のセンラ様と、興奮した様子のサカタ様。
声だけでも、目を輝かせている顔が脳内にありありと浮かぶ。
そのうちに、大声を出しすぎたサカタ様はアマミヤ先生に叱られていた。
「黒板に落書きもしたし、一通りのいたずらはした。爆発系の魔法でも使ってみたら面白いかな?」
「壊れるんですけど」
「一通りのいたずらって……。マニュアルでもあるんか?」
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のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
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