68. ページ20
またさらに数分後、ようやくついた学園でシマ様、サカタ様、センラ様に出迎えられて早々に、悪魔が召喚されたという報告をセンラ様から受ける。
いや、忙しすぎだしそもそもなんで??
話をよく聞いてみれば、学園の地下牢に捕まっていたおれの父親が、スープを使って魔法陣を書いたらしい。
死体は用意できないから、自分の体を使えと言う契約で一発逆転、原初の悪魔を召喚しようとした───らしい。
普通は死体二個必要で、死体の頭数が揃わなければ、奈落の扉が開かないどころか、魔法陣は起動せず、失敗に終わる。
───……はずなのに、彼は成功させてしまった。
もちろん、彼はもう死んでしまっている。
出された原初が誰か、どういう目的かが全くわからない。
「どうされます?」
「行くでしょ」
「ウラタさん行くんやったら俺も行く」
「ぼくも!」
「センラだけ仲間はずれにしないでくださいよ」
ウラタ様だけに聞いたつもりなのに、3人くらい追加で来た。
まぁ、暴れられた時、戦力が大いに越したことはないのだろうけれど、見るからに帯剣しているのがシマ様、サカタ様。
ヤベー、大丈夫かな。
剣を下ろしていけ、とも言えないし、戦う気満々ですって見た目で行くのもアレかなぁ。
そんなことより、こちら側に友好的か、だよな。
牙を向かれたら堪ったものじゃない。
こちら側は対抗手段がないのだから。
そんなことを考えていると、どこかから爆発音が聞こえ、それと同時に、学園が揺れる。
地震?
にしては爆発音が大きい。
後は何かが壊された?
なら、おそらく、召喚された悪魔だろう。
どうするか。
内容によっては───いや、考えないでおこう。
ベルフェゴールSide
昔は悪魔を召喚しようと試みる輩はごまんといたのに、最近はめっきり減ってしまった。
どうやら悪魔を喚ぶための魔法陣かなんかが継承されてないとかなんとか。
そろそろ悪魔も存続の危機である。
そんな悪魔のいちばん偉い原初の悪魔のひとり、怠惰のベルフェゴールとは俺のことだ。
原初の悪魔というものはそもそもかなりの気分屋。
前述の通り召喚がいっぱいされていた頃は、面倒だからと面白そうな案件にしか首を突っ込まなかったけれど、最近は少なくなってしまったのでお喚び出しには積極的に参加することにしている。
ずっと奈落にいるのも退屈なので。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんしゅ(プロフ) - ほんとですか!? 教えてくださりありがとうございます (2022年6月30日 19時) (レス) id: e89ed18301 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - オリジ/ナルフラグが立っているようですので、外していただくようお願いします。 (2022年6月30日 8時) (レス) id: 09c503bb24 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ