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見覚えのありすぎる薄浅葱色の着流しは何の事なしに照と佐久間の間に胡座をかき、猫耳を嬉しそうにぴくぴくとさせる佐久間の頭をふわふわと撫ぜていた。
｢いや、お、おかえりじゃなくて…何で佐久間のこと撫でてんの？え？知り合い？てか、妖って他の人に見えてんの？｣
疑問で首がかなり曲がっている辰哉を苦笑しながら見ると、頭から手を離して辰哉の羽織っていた羽織を取ると、綺麗に畳んで手招きをした。
辰哉の手から、小さな手がふっ、と離れる。嬉しそうに駆け寄って抱きついたラウールを愛おしそうに抱きしめると、辰哉を見上げてにこりと笑った。
｢あれ、もしかして阿部言ってなかったのか？｣
｢うん。照達の事だけでも随分戸惑ってたし、一寸気が引けて。ごめんね？説明してなくて。｣
涼太の質問に頷いて、申し訳なさそうに目を細めた亮平に、は？と疑問符をまた零して、問い詰めようとゆっくりと歩み寄ろうとすると、隣で湯呑みを傾けていた照の背中で何かが動いた。
｢ん？｣
｢…？どうした…って、嗚呼、此奴？…ほら、康二。この人は大丈夫。悪いやつじゃねぇよ。｣
｢っでも、人間、なんやろ、？嫌やっ、俺、もう嫌やもん！｣
｢あ、あの…俺、何もしないよ？妖も、別に怖くない、って言うか…照達で慣れちゃった、って言うか…本当に、なにも｣
｢あんたなんかに俺の何が分かるんよ!!!｣
｢っちょ、康二！！｣
辰哉が恐る恐る声をかけると、何処かが琴線に触れたらしく、照の広い背中から一つの影が飛び出る。鬼の剣幕で怒鳴る青年の瞳は、鮮やかな紅を怒りに燃やしていた。勢いに任せて飛び出してきたらしい体は怒りからなのか、小さく震えている。
｢っあんただって、また俺の事差別するつもりなんやろっ！俺だって、俺だって好きでこうなんや無いのに…もう、信じて、裏切られんのはごめんやっ！｣
｢…康二、少し落ち着け。気持ちはわかるけど、何も分かってない辰哉さんに怒んのは違うだろ。｣
｢っでも…やったら、めめは、また裏切られても許せるん？！だって、だって…っ！｣
目黒に抱えられるような体制で、不満げに俯いて呟く康二を座らせて、照は未だに固まったままの辰哉に声をかけた。
｢悪い。康二もその…悪気があった訳じゃないんだ、事情があって…｣
｢あ、いや、大丈夫…俺も悪かったし。…っつーか、なんで亮平が居るのか未だ聞いてない！｣
指を指した先で、亮平は小首を傾げて困ったように笑った。
｢何で、って…俺も妖だからだけど？｣
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莉月(プロフ) - 優さん» こちらこそリクエストありがとうございました！楽しんでいただけていたら幸いです。これからもよろしくお願いします！ (2021年1月27日 7時) (
レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - お話書いて頂きありがとうございました！これからもお話楽しみにしています！ (2021年1月26日 21時) (レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - リクエストはここで締め切らせていただきます！リクエストしていただいた皆様、ありがとうございました！お話になるまで、少々お待ちください。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
莉月(プロフ) - さのちゃんさん» 最後の一枠なので大丈夫ですよー！リクエストありがとうございます。 (2021年1月6日 11時) (レス) id: d1f373beb4 (このIDを非表示/違反報告)
さのちゃん(プロフ) - まだリクエスト大丈夫でしょうか？橙くんが怪我して敵に捕まって黒くんがすごく怒るお話を読みたいです。よろしくお願いします！ (2021年1月5日 21時) (レス) id: f84afddcf2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉月 | 作成日時：2020年5月30日 12時
