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無気力に覆われている。


恐ろしくて恐ろしくてならない。


彼女に何かあったんじゃないか。




でも、
住所を知らないわけで、
警察に行ってもどうにもならない。


僕の皮を被ったそいつは、
僕よりも先にAに会って、
より親密な関係になっている。



許せない。


許せない。




僕とAの間にどんなことがあって、
今の関係に至るのか、
どれだけ巨大な壁をふたりで越えてきたのか、
そんなことも知らないで。


僕のことを磔にかけて、
皮を剥いで、
それを被って、
Aに近づいて。


誰だ。



誰なんだ、
お前は。



「ピロリン」




A!



そう声を出そうとしたが、
それは喉につっかえた。



ロック画面に表示された文面は、
あまりに切なく、
心臓を締め付けた。





『ごめんなさい。もう縁を切りましょう。』




冷たかった。



いいや、
これはきっとAの携帯を奪って、
そいつが僕に送り付けたんだ。


Aがそんなこと言うわけない。


そう言い聞かせるも、
うまく自分を洗脳できない。





『どうしたの?本当にAなの?ずっと連絡できなかったことは、本当に悪かったと思ってる。』





急いで綴った想いに応えたのは、
やはり冷たいままの文字の羅列。





『真冬くんをなりすました人は、素敵な人だった。』





アカウントを奪うなんて、
それに加えて女性を騙して家に招き入れて…


犯罪者じゃないか!


そう文字を打っていると、
短い文章が送られてきた。




『もうあなたは私に必要ないの。』



待ってくれと、
その一言を送り付けようとすると、
エラーが発生した。





『ブロックされているため、メールを送信できません。』



彼女が僕の全てだった。


彼女を失ったということは即ち、
全てを失ったということ。



蹲る僕の背を、
誰も撫でてくれやしない。





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鹿野ユズナ(プロフ) - 前回の合作が……読めない………こんなに素晴らしいのに……!気になるのに………!!心を奪われてぼんやりしてしまいます。気になる。魅惑的な作品でした。ありがとうございます。 (2020年10月9日 16時) (レス) id: 6c05b173a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らふぁえるsk&雪兎-ユキト- | 作成日時:2019年5月25日 18時

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